【11月30日 AFP】米航空宇宙局(NASA)は27日、衛星画像を基に作成した、南極の最新地図を公表した。この詳細な地図により、南極に関する科学研究の飛躍が期待されている。

 この地図は、国際極年(2007-2008)に合わせてNASA、米地質調査所(US Geological SurveyUSGS)、英国南極調査所(British Antarctic Survey)が共同で作成したもの。人工衛星ランドサット7号(Landsat 7)が1999-2001年に撮影した約1100枚の画像に基づいて、地形が高密度・高彩度で再現されている。

 NASAの主任研究員Robert Bindschadler氏は、これまでの地図を「ぼやけた白黒テレビ」、今回の地図を「高解像度・高彩度の液晶テレビ」に例え、「これまでで最も精密な南極地図」と胸を張る。

 同氏は、研究者にとっての意義は大きいと語る。この地図により、地球温暖化の影響が顕著に現れつつある南極の調査が容易になり、南極点への科学探査や辺境地の海抜調査にも役立てられる。また、一般の人々にとっても、南極とその研究をより身近に感じることができるツールになるという。

 南極の初の衛星写真は、1972年にランドサット1号により撮影された。それ以前の南極の地図は、もっぱら航空機や調査船の資料に基づいていた。(c)AFP

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