【11月2日 AFP】聴覚の発達のしくみを解明した研究結果が10月31日、英科学誌「ネイチャー(Nature)」で発表された。

 研究を行ったのは米メリーランド(Maryland)州ボルティモア(Baltimore)にあるジョンズホプキンス大学(Johns Hopkins University)のDwight Bergles氏率いる研究チーム。チームは中耳と内耳が発達しておらず空気伝送音を感知できない、生まれたばかりのラットを使い実験を行った。

 聴覚器官内の細胞が、細胞間のエネルギー伝達をつかさどるアデノシン三リン酸(ATP)を放出すると、これが音波に反応する内有毛細胞を刺激し、グルタミン酸塩と呼ばれるアミノ酸を放出。これにより、音を感知して脳に電気的信号を送る神経線維である初期聴覚神経細胞が活性化され、音が聞こえるという。

 研究チームは、今回の研究結果を「耳鳴り」の原因解明にも活用できる可能性があるとして期待を寄せている。(c)AFP