【10月12日 AFP】(一部訂正)カリフォルニア(California)州北部で11日、世界最高レベルの観測性能を実現する電波望遠鏡網による、本格的な地球外生命体の探査活動が始められた。

 この電波望遠鏡は、サンフランシスコ(San Francisco)から北432キロのハットクリーク(Hat Creek)に建設された「アレン望遠鏡網(Allen Telescope Array、ATA)」と呼ばれるプロジェクトの一部。全42台の電波望遠鏡のパラボラアンテナが、宇宙のかなたから送られる電波の収集を開始した。

 同プロジェクトは、カリフォルニア州マウンテンビュー(Mountain View)にある、地球外知的生命体の探査活動を行うSETI(Search for Extraterrestrial Intelligence Institute)研究所と、カリフォルニア大学(University of California)バークレー校(Berkeley)が共同で進めるもの。電波天文学を進歩させることを狙いに、将来は約350台の望遠鏡群が設置される予定。

「ATAにより地球外知的生命体が発する信号の探査能力を飛躍的に伸ばすことができるため、地球外知的生命体の発見につながるかもしれない」と、SETI研究所のSeth Shostak氏は語っている。ATAの電波望遠鏡は、地球外生命体の探査用望遠鏡としては世界最大規模のものだという。

 女優ジョディー・フォスター(Jodie Foster)は1997年公開の映画『コンタクト(Contact)』」で地球外の文明から送られた信号を解読する科学者を演じた。Shostak氏はこの映画になぞらえてATAを「ジョディー・フォスターを200万人集めたようなもの」と説明する。

 「アレン望遠鏡網」というプロジェクト名は、2001年に資金を寄付した大資産家のポール・アレン(Paul G. Allen)氏の名前から取ったもの。同氏は米ソフトウェア大手マイクロソフト(Microsoft)の共同創業者でもある。(c)AFP