【8月14日 AFP】米国ニューヨーク州のレンセラー工科大(Rensselaer Polytechnic Institute)の研究チームは13日、「紙のように折ったり曲げたりできるシート状の次世代電池を開発した」と発表した。

 現在、多くの電化製品に使用されているリチウムイオン電池と同等の電力容量を備え、超軽量かつ折り曲げも可能なことから、より幅広い製品への応用が期待される。

 試作品は初期段階ながら、親指と人差し指でやっとつまめる程度の大きさでも、2.5Vの電池容量がある。これは小型扇風機や照明器具に対応する程度の電力。研究を主導した同大のRobert Linhardt教授によると、シート状の電池を何枚か重ねることにより、電力アップも可能だという。

 研究では、最大10枚まで重ねての実験が行われている。また、シート状電池は巻いたり曲げたり折ったりと形状は自由自在なことから、「電池のデザインは無限大。500枚だって重ねて使用できる」とLinhardt教授は自信を示す。
 
 成分の90%が紙と同じセルロース製で超軽量のシート状電池は、ノートPC、携帯電話、デジタルカメラなど通常用途のほかにも、車両や航空機、船舶などへの使用も理想的だ。また、鋳型での成型も可能なことから、「技術革新を前進させる重要な一例」としてLinhardt教授は車のドアへの応用をあげている。

 シート型電池の開発詳細は、米科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of SciencesPNAS)に掲載される予定。(c)AFP