【7月28日 AFP】トヨタ自動車(Toyota)は25日、米カリフォルニア大学(University of CaliforniaUC)バークレー(Berkeley)校と提携し、家庭用電源から充電できるプラグインハイブリッド車2台の公道走行試験を米国で実施すると発表した。

 走行試験は今秋から開始される予定で、大手自動車メーカーが米国でプラグインハイブリッド車の公道走行試験を実施する初めてのケースとなる。走行試験ではUCバークレー校がドライバーの動きを分析し、UCアーバイン(Irvine)校が排出ガスと燃費を調べる。

 試験に用いられるプリウス(Prius)をベースにした試作車は、110ボルトの家庭用電源から行う1回の充電により、電気モーターのみで時速100キロで連続11キロメートルの走行が可能となる。

 トヨタの広報担当デニス・モリッシー(Denise Morrissey)氏はAFPの取材に、「トヨタは数年にわたりこの素晴らしい技術の実現を目指してきた。プラグインに市場がどのような反応を示すかを知る大きな試みとなるだろう」と話す。

 新型プリウスは搭載するニッケル水素電池を追加したため、現行車両に比べ重量が100キロ増えるものの、ほかの仕様は変わらないという。

 トヨタが改良型プリウスの日常的利用を想定した走行試験を行う場所としてUCバークレー校を選んだのは納得できる。サンフランシスコ(San Francisco)湾の東に位置するバークレーは、プリウスの最大市場のひとつ。環境保護と進歩的政策で知られ、テキサス(Texas)州の軽トラックとおなじぐらいハイブリッド車が一般に浸透している。

 同社は5月に100万台目となるハイブリッド・プリウスを販売したが、半数は米国で販売された。2007年上半期のプリウスの販売台数は前年同期実績を69%上回リ、同社の試算によると全世界でハイブリッド車が排出した二酸化炭素は同クラスのガソリンエンジン車に比べ350万トン少なかった。(c)AFP/Zachary Slobig