【7月24日 AFP】日立製作所(Hitachi)は23日、カードの代わりに指だけでクレジット決済処理を実現する「指静脈マネー」の実証実験を開始すると発表した。

 生体認証技術を用いたこのシステムは、指静脈パターンで本人確認を行い、カードなしでクレジット決済処理やATMの利用を可能とする。

 日立はクレジットカード会社ジェーシービー(JCB)との協力でシステムを開発。究極のセキュリティー確保の技術と自信を示す。

 日立は声明で、「キャッシュカードの偽造といった金融犯罪への対策として、銀行などの金融機関では、キャッシュカードのICカード化やATMでの個人認証として指静脈認証技術を採用するなどのセキュリティ対策が進んでいる」と指摘。

 「指静脈マネー」によるクレジット決済の実証実験を、同社の社員食堂と売店で9月から200人規模で開始し、店舗、銀行などでの実用化に向けた可能性を探る。

 生体認証技術はすでに銀行大手の三菱東京UFJ銀行(Tokyo-Mitsubishi UFJ)や三井住友銀行(Sumitomo Mitsui)で、取引やATMなどに活用されている。

 新システムにより、「精算時にレジにある指静脈認証装置に指をかざすことで、あらかじめシステムに登録された指静脈パターンと照合し、本人確認とクレジット決済処理をカードレスで行うことができるようになる」という。(c)AFP