2週間の水中生活実験、無事終了 - オーストラリア
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【シドニー/オーストラリア 19日 AFP】水中に沈めたスチール製カプセルの中で、酸素と電気を自家生産しながら12日間を過ごしたオーストラリアの科学者が18日、無事実験を終えた。
■尿から酸素、自転車から電気
実験を行ったのは自らを「変人」と呼ぶ海洋生物学者のロイド・ゴッドソン(Lloyd Godson)氏(29)。ニューサウスウェールズ(New South Wales)とビクトリア(Victoria)の州境にあるオルベリー(Albury)に近い採石場にできた池に、床面積9平方メートルの黄色いスチール製カプセルを沈め、その中で12日間を過ごした。閉鎖的な生態系のなかでどのくらい人間が生きられるかを調査することが目的。
自分が排泄した尿で培養した藻類から、イスラエル製の「バイオコイル(Biocoil)」というシステムで酸素を取り出し、フィットネス用の固定自転車で電気を起こした。
■トラブルに「うまく対処できたと思う」
実験を終えたゴッドソン氏は、狭い空間に閉じこめられてストレスを感じたことも認め、「太陽とそよ風を顔に感じるのは大変心地よい」と語った。「12日間も閉じこめられていたため精神的に少しつらいこともあり、閉所性の発熱もあったがうまく対処できたと思う。実際はもっと大変かと思っていた」と語った。
■「深海や宇宙の生命維持装置に役立てて」
このプロジェクトはヒトが未知の環境で生活することの実現可能性と、それがヒトの心理に及ぼす影響のデータを集めることを目的とし、雑誌オーストラリアン・ジオグラフィック(Australian Geographic)誌が資金を拠出した。
実験で得られた情報は将来、規模の大きな潜水艦や宇宙船任務の計画に役立つ可能性もあるとゴッドソン氏。
「深海や宇宙に施設を作るときの生命維持システムの実験に道を開いたと思う。今回のデータを専門家に分析してもらい、次の実験に役立てて欲しい」
写真はフランス、マルセイユで撮影された、地中海に生息する赤いサンゴ(2006年2月3日撮影)。(c)AFP/ROLAND GRAILLE
■尿から酸素、自転車から電気
実験を行ったのは自らを「変人」と呼ぶ海洋生物学者のロイド・ゴッドソン(Lloyd Godson)氏(29)。ニューサウスウェールズ(New South Wales)とビクトリア(Victoria)の州境にあるオルベリー(Albury)に近い採石場にできた池に、床面積9平方メートルの黄色いスチール製カプセルを沈め、その中で12日間を過ごした。閉鎖的な生態系のなかでどのくらい人間が生きられるかを調査することが目的。
自分が排泄した尿で培養した藻類から、イスラエル製の「バイオコイル(Biocoil)」というシステムで酸素を取り出し、フィットネス用の固定自転車で電気を起こした。
■トラブルに「うまく対処できたと思う」
実験を終えたゴッドソン氏は、狭い空間に閉じこめられてストレスを感じたことも認め、「太陽とそよ風を顔に感じるのは大変心地よい」と語った。「12日間も閉じこめられていたため精神的に少しつらいこともあり、閉所性の発熱もあったがうまく対処できたと思う。実際はもっと大変かと思っていた」と語った。
■「深海や宇宙の生命維持装置に役立てて」
このプロジェクトはヒトが未知の環境で生活することの実現可能性と、それがヒトの心理に及ぼす影響のデータを集めることを目的とし、雑誌オーストラリアン・ジオグラフィック(Australian Geographic)誌が資金を拠出した。
実験で得られた情報は将来、規模の大きな潜水艦や宇宙船任務の計画に役立つ可能性もあるとゴッドソン氏。
「深海や宇宙に施設を作るときの生命維持システムの実験に道を開いたと思う。今回のデータを専門家に分析してもらい、次の実験に役立てて欲しい」
写真はフランス、マルセイユで撮影された、地中海に生息する赤いサンゴ(2006年2月3日撮影)。(c)AFP/ROLAND GRAILLE