【9月4日 AFP】10代の若者がフェイスブック(Facebook)のような交流サイト(SNS)で悪い仲間と付き合うと、そそのかされて飲酒や喫煙などの危険な行為をするようになる恐れがある――このような母親の言葉は恐らく正しいのかもしれない。

 10代の若者が、SNSのフェイスブックやマイスペース(MySpace)に投稿された写真で友人が喫煙したり飲酒したりしているのを見ると、自身も同じ行為をする可能性が高くなるとの研究論文が3日、米青年期医学誌「ジャーナル・オブ・アドレッセント・ヘルス(Journal of Adolescent Health)」に掲載された。

 研究を率いた米南カリフォルニア大学ケック医学部(Keck School of Medicine of the University of Southern California)のトーマス・バレンテ(Thomas Valente)氏は「われわれの知る限り、ソーシャルネットワークの分析手法を適用して、SNS上での10代若者の行動が、自身の喫煙や飲酒にどのような影響を及ぼすかを調査したのは、今回の研究が初めてだ」と語る。

 バレンテ氏の研究チームは、2010年10月と2011年4月に、米ロサンゼルス郡(Los Angeles County)のエルモンテ・ユニオン高校学区(El Monte Union High School District)の学生1563人を対象にした調査を行った。

 調査の結果、ネット上の友達ネットワークの大きさは、危険な行為に関連する重要な要因ではないが、パーティーや飲酒の様子を写した友人の写真をネット上で閲覧することは、喫煙や飲酒につながることがわかった。

 親しい友人が飲酒をしない10代の若者は、危険性の高い写真をオンラインで閲覧する機会が増すことで、悪影響を受ける可能性がさらに高くなった。

 研究チームの1人、グレース・フアン(Grace Huang)氏は「友人のネット上での振る舞いが、仲間の影響力の大きな発生源の1つとなり得ることを、この証拠は示唆している」と指摘する。「米国の12歳から17歳の少年少女の95%が毎日インターネットにアクセスしており、さらにこれらの若者の80%がネット上のSNSを使って交流している状況を考えれば、これは承知しておくべき重要な点だ」

 今回の調査に応じた学生は、各性別が均等に分布しており、平均年齢は15歳だった。内訳は約3分の2がラテンアメリカ系、4分の1がアジア系で、エルモンテとほぼ同様だった。2011年4月の調査では、回答者の30%近くが喫煙の経験があり、半数以上が少なくとも1回はアルコールを飲んだ経験があった。(c)AFP