湿った鼻でスクリーンにタッチ、イヌが最新端末使う 米国
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【8月26日 AFP】飼い犬に芸を教えることができなくてもタブレット型端末を使えるようにトレーニングすることはできる──ニューヨーク(New York)市のドッグトレーナーがそれを見事にやってのけた。
「新しい試み。楽しいのよ」とAFPに話すのは、ドッグトレーナーのアンナ・ジェーン・グロスマン(Anna Jane Grossman)さん。パートナーのケイトさんとともに、マンハッタン(Manhattan)のユニオンスクエア(Union Square)近くにあるドッグスクールで教室を開いている。ニューヨーク生まれで根っからの犬好きだ。フリーのライターでもあり、事実、大学卒の人物が飼い犬に正しいタブレット端末の利用法を教えるフィクションのニュース記事に触発され、この新たな試みを始めたという。
グロスマンさんが、アップルのタブレット型端末「iPad」を使えるようトレーニングしたのはグロスマンさんの飼い犬で、プードルとヨークシャーテリアのミックス犬「アモス」。8歳のアモスは、他にもいろいろと芸ができるようで、「バン、バン」とのかけ声でおなかを出して寝転び、「死んだふり」をするという。
AFPの取材班も試しに自分の飼い犬を連れてグロスマンさんのもとを訪れた。3歳のダックスフントの雑種で名前は「バンディット」だ。
グロスマンさんはまず、バンディットの鼻を彼女の手のひらに触れるよう教えた。コマンド(合図)とともに鼻で手のひらに触れるとおやつが貰えるといった具合だ。それができるようになると、次はハエ叩き、付箋パッドといろいろな道具で同じように教えた。時々、触れる対象物にピーナツバターを塗り、イヌの集中力を途切れさせないように工夫した。
最終工程は、タブレット型端末やスマートフォン(多機能携帯電話)「iPhone」のタッチスクリーンへの接触だ。イヌの湿った鼻による軽いタッチをスクリーンはしっかりと感知する。
トレーニング開始から1時間足らずで、バンディットは写真撮影アプリを使い、自分の写真を撮影できるようになった。コマンドが出されると同時に、アプリの立ち上がったスクリーンに鼻で軽く触れてシャッターを切る。超至近距離での撮影のため、目とおでこの辺りが「どアップ」となる。
■「問題はイヌ用アプリの不足」
グロスマンさんは、大きな「Yes」と「No」の二択ボタンがスクリーンに表示されるアプリ「YesNo」を使うことで、アモスに「最も難解な」質問に答えてもらうことができるという(例えば、2+2=5?『NO』、紙媒体のメディアはおしまい?『NO』といった具合)。
「YesNo」は言語障害のある子どもたちのコミュニケーションを助けることを目的としているが、イヌとのコミュニケーションにも役立つ数少ないアプリだとグロスマンさんは話す。
時代遅れの技術についての著作もあるグロスマンさんは、「問題なのは、イヌたちに『何』ができるかではない。イヌが鼻で触れることのできるような大きなボタンを備えたアプリや、実用的な目的と連動したアプリがないことが問題だ」と指摘する。連動については、照明の点灯・消灯、ドアの開閉などを例に挙げた。
今年、留守番中のペット犬をモニターすることを可能にしたアプリ「パブロフ・ドッグモニター(Pavlov Dog Monitor)」が発表された。端末の音声センサーがイヌの鳴き声を感知して、1回吠えるごとに、SNSのフェイスブック(Facebook)に登録してある飼い主のアカウントにメッセージを送る仕組みだ。
グロスマンさんは、「(介護犬や介助犬などの)トレーニングされたイヌの多くは、緊急時にボタンを押すよう教えられている」と述べ、それがスマートフォンなどのスクリーンを介したとしても、違いはそう大きくないはずと指摘した。
しかし、タブレット端末を使うイヌについての話が多く聞かれるようになると同時に、一方では批判的な反応も多く出てくるようになった。
ドッグトレーニング業界での反応は上々で、実際にグロスマンさんのドッグスクールでは「iDog」と称したセミナーまで開催している。ただ批判的な意見も多く寄せられているという。
「中には、『スティーブ・ジョブス(Steve Jobs)も心穏やかになれず、墓の中で寝返りを打っているだろうよ』とのメールもありましたよ」
(c)AFP/Robert MacPherson
「新しい試み。楽しいのよ」とAFPに話すのは、ドッグトレーナーのアンナ・ジェーン・グロスマン(Anna Jane Grossman)さん。パートナーのケイトさんとともに、マンハッタン(Manhattan)のユニオンスクエア(Union Square)近くにあるドッグスクールで教室を開いている。ニューヨーク生まれで根っからの犬好きだ。フリーのライターでもあり、事実、大学卒の人物が飼い犬に正しいタブレット端末の利用法を教えるフィクションのニュース記事に触発され、この新たな試みを始めたという。
グロスマンさんが、アップルのタブレット型端末「iPad」を使えるようトレーニングしたのはグロスマンさんの飼い犬で、プードルとヨークシャーテリアのミックス犬「アモス」。8歳のアモスは、他にもいろいろと芸ができるようで、「バン、バン」とのかけ声でおなかを出して寝転び、「死んだふり」をするという。
AFPの取材班も試しに自分の飼い犬を連れてグロスマンさんのもとを訪れた。3歳のダックスフントの雑種で名前は「バンディット」だ。
グロスマンさんはまず、バンディットの鼻を彼女の手のひらに触れるよう教えた。コマンド(合図)とともに鼻で手のひらに触れるとおやつが貰えるといった具合だ。それができるようになると、次はハエ叩き、付箋パッドといろいろな道具で同じように教えた。時々、触れる対象物にピーナツバターを塗り、イヌの集中力を途切れさせないように工夫した。
最終工程は、タブレット型端末やスマートフォン(多機能携帯電話)「iPhone」のタッチスクリーンへの接触だ。イヌの湿った鼻による軽いタッチをスクリーンはしっかりと感知する。
トレーニング開始から1時間足らずで、バンディットは写真撮影アプリを使い、自分の写真を撮影できるようになった。コマンドが出されると同時に、アプリの立ち上がったスクリーンに鼻で軽く触れてシャッターを切る。超至近距離での撮影のため、目とおでこの辺りが「どアップ」となる。
■「問題はイヌ用アプリの不足」
グロスマンさんは、大きな「Yes」と「No」の二択ボタンがスクリーンに表示されるアプリ「YesNo」を使うことで、アモスに「最も難解な」質問に答えてもらうことができるという(例えば、2+2=5?『NO』、紙媒体のメディアはおしまい?『NO』といった具合)。
「YesNo」は言語障害のある子どもたちのコミュニケーションを助けることを目的としているが、イヌとのコミュニケーションにも役立つ数少ないアプリだとグロスマンさんは話す。
時代遅れの技術についての著作もあるグロスマンさんは、「問題なのは、イヌたちに『何』ができるかではない。イヌが鼻で触れることのできるような大きなボタンを備えたアプリや、実用的な目的と連動したアプリがないことが問題だ」と指摘する。連動については、照明の点灯・消灯、ドアの開閉などを例に挙げた。
今年、留守番中のペット犬をモニターすることを可能にしたアプリ「パブロフ・ドッグモニター(Pavlov Dog Monitor)」が発表された。端末の音声センサーがイヌの鳴き声を感知して、1回吠えるごとに、SNSのフェイスブック(Facebook)に登録してある飼い主のアカウントにメッセージを送る仕組みだ。
グロスマンさんは、「(介護犬や介助犬などの)トレーニングされたイヌの多くは、緊急時にボタンを押すよう教えられている」と述べ、それがスマートフォンなどのスクリーンを介したとしても、違いはそう大きくないはずと指摘した。
しかし、タブレット端末を使うイヌについての話が多く聞かれるようになると同時に、一方では批判的な反応も多く出てくるようになった。
ドッグトレーニング業界での反応は上々で、実際にグロスマンさんのドッグスクールでは「iDog」と称したセミナーまで開催している。ただ批判的な意見も多く寄せられているという。
「中には、『スティーブ・ジョブス(Steve Jobs)も心穏やかになれず、墓の中で寝返りを打っているだろうよ』とのメールもありましたよ」
(c)AFP/Robert MacPherson