【6月28日 AFP】直線上を進むのではなく、竜巻のようにねじれた光線でデータを送信する新しい光ファイバー技術により、インターネット帯域幅の容量が増加する可能性があるとの研究が27日、米科学誌サイエンス(Science)に発表された。

 スマートフォン(多機能携帯電話)などインターネット機器のユーザーが使用する帯域幅の需要が増大を続ける現在、インターネットのデータ通信量は限界に達しつつあり、ネットワークプロバイダー各社の頭を悩ませている。

 この新技術には、「光渦(optical vortex)」というドーナツのような形状のレーザー光線が使用されている。軌道角運動量(OAM)光線としても知られる光渦は、これまではファイバー内では安定化しないと考えられていた。

 米ボストン大学(Boston University)工学部のシダース・ラマチャンドラン(Siddharth Ramachandran)教授は、光渦に対応可能な光ファイバーを作成する方法を発見した。全長1キロメートルの光ファイバーを経由し、最大1.6テラビット毎秒(Tbps)の速度で大容量データを送信可能だという。これは、1秒ごとにブルーレイディスク8枚分のデータを送信することに相当する。

 この光ファイバー開発プロジェクトは、米南カリフォルニア大学(University of Southern California)、デンマークの光ファイバー企業OFS-Fitel、イスラエルのテルアビブ大(Tel Aviv University)の協力の下に行われた。またこの研究は、米国防総省の技術研究機関、国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Projects AgencyDARPA)から資金供与を受けている。(c)AFP