【3月28日 AFP】欧州の迷惑メール監視団体を狙い行われたインターネット史上最大規模のサイバー攻撃により、ネット全体の速度が低下した可能性があることが27日、明らかになった。

 米セキュリティー企業クラウドフレア(CloudFlare)のマシュー・プリンス(Matthew Prince)最高経営責任者(CEO)によると、標的とされたのはスイスのジュネーブ(Geneva)を本拠地とするボランティア団体スパムハウス(Spamhaus)。同団体は、迷惑メール(スパム)を排除するためのブラックリストを公表している。

 同団体によるとサイバー攻撃は先週、貸しサーバーを提供するオランダのサイト「サイバーバンカー(Cyberbunker)」をブラックリストに掲載した後に始まった。同サイト側は、サイバー犯罪およびスパムの温床として不当に決め付けられたと抗議している。攻撃元は特定されていないが、一部専門家はサイバーバンカーが東欧のサイバー犯罪者と共謀した可能性があると指摘している。

 スパムハウスからの要請を受けたクラウドフレアは保護対策を実施。するとサイバー攻撃の標的は、クラウドフレアが利用するネットワークプロバイダーに移ったという。

 プリンス氏によると今回の攻撃は、サイトに過剰なアクセス負荷をかける手法のもので、「これまで報告された中で最大規模」だった。これにより、欧州を中心とした主要ネットワーク全体が混雑し、スパムハウスやクラウドフレアとは関連のないサイトを閲覧していた数億人が影響を受けたとされる。(c)AFP