【3月12日 AFP】交流サイトのフェイスブック(Facebook)のユーザーが「いいね!」を押すパターンを分析することにより、その人の人種や年齢、IQや性的指向といった個人情報を驚くほど正確に当てられることを示した研究結果が11日、米科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of SciencesPNAS)で発表された。

 ユーザーが何に「いいね!」を押したかは、プライバシー設定を手動で変更しない限り、誰でも見ることができる。英ケンブリッジ大学(Cambridge University)とマイクロソフトリサーチ(Microsoft Research)社の合同チームは「いいね!」を使ったアルゴリズムを開発し、自主的に研究に参加した米国のユーザー8000人を対象に、ユーザーのプライベートな情報を暴き出す可能性のある人格プロフィルの作成を試みた。

 その結果、「いいね!」に基づいてユーザーの性別を判別できる確率は88%、アフリカ系アメリカ人と白人を区別できる確率は95%にも上った。また、ユーザーの性的指向や、薬物乱用者であるか否か、さらには両親が離別したか否かといった情報までもが推測可能だったという。

 研究チームは、このデータは広告やマーケティングに応用することができる一方、ユーザーは明るみに出ている個人情報の量にたじろぐかもしれないと述べている。研究報告を共同執筆した心理測定学者のデービッド・スティルウェル(David Stillwell)氏は「『いいね!』ボタンは魅惑的で、いとも簡単に押してしまう。だが、いままで押してきた『いいね!』が数年後には自分に不都合なものへと積み重なっていくことに、気づくことはない」と語る。

 スティルウェル氏によると、フェイスブックだけではなく、ウェブ検索や電子メール、携帯電話の使用データなど、他のデータを使っても同様のプロフィルを作成することができるという。

 研究チームはまた、ユーザーが人格診断をするためのフェイスブック用アプリケーション「You Are What You Like」を作り、「http://www.youarewhatyoulike.com/」で公開している。(c)AFP/Rob Lever