【3月5日 AFP】米グーグル(Google)のエリック・シュミット(Eric Schmidt)会長、米プロバスケットボール協会(NBA)の元スター選手デニス・ロッドマン(Dennis Rodman)氏に続く、北朝鮮へのサプライズ訪問者は、悪名高いファイル共有サイト「ザ・パイレート・ベイ(The Pirate Bay)」になるようだ。

 前週、拠点としていたスウェーデンから追放されたパイレート・ベイは、ウェブサイトに掲載した声明で、北朝鮮に「バーチャル避難所」を確保したと発表。どうやら金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)第1書記から個人的に招待されたとみられている。

「本日、われわれは大韓民国(Republic of Korea)の指導者から招待されたことを公表することが可能になった。彼らのネットワークから、われわれの闘いを続ける」(パイレート・ベイ)

 声明には同サイトの海賊船のロゴが表示され、ロゴの帆は北朝鮮旗の色に塗られていた。「(北朝鮮は)門戸を開いてくれる国だ。1つ確かなことは、彼らは他国とは違い、脅迫をものともしないということだ」と、パイレート・ベイは付け加えた。

 声明の滑稽な雰囲気と、北朝鮮ではなく「大韓民国」と誤表記があったことから、一部の人々は何かのジョークなのだろうと考えていた。だが、ブログ「ノースコリアテック(North Korea Tech)」によると、手元のパソコンからパイレート・ベイのウェブサイトにアクセスした際の経路は、事実、北朝鮮のインターネット・ゲートウェイを通過していたという。

 一方、ウェブサイト「Torrent Freak」は、アクセスが北朝鮮を経由しているのは実際のサーバーの場所を隠すためだと指摘。「サイトの背後にあるクラウドサーバーは世界のどこか別の場所で運用されているはずだ」と述べている。

 2003年に創設されたパイレート・ベイは、「bit torrent」技術を用いたP2P用のリンクを提供するサイトで、著作権料を支払わずに音楽や映画などを共有することを可能にしている。スウェーデンで3年ほど運用されたが、国外追放されており、ノルウェーやスペインなどに移転先を探しているとみられていた。

「(北朝鮮に移転してから)その後については、どうなるか不明」とパイレート・ベイは述べている。(c)AFP