ジグソーパズルのように家を自作、オンライン住宅建築ツール「ウィキハウス」
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【3月2日 AFP】巨大なジグソーパズルを組み立てるようにして、自分の手で家を造る──そのためのツールをインターネット上で無料提供しているのが、ウィキペディア(Wikipedia)ならぬ「ウィキハウス(WikiHouse)」だ。
「WikiHouse.cc」はオープンソースの建築キット。これを使えば、住宅の設計図を自分で制作・共有し、数千ドル(数十万円)ほどの安価な機械を使って建築部材を「印刷」することができるという。住宅の設計や建築に関する情報とツールを消費者に無償提供したいと考えた建築家のコレクティブ(共同体)、「ウィキハウス」が取り組んでいる活動の一環だ。
「2、3人いれば1日程度で小さな家が建てられる」。ウィキハウスで自身の作品を公開している英建築家のアラステア・パービン(Alastair Parvin)氏は2月28日、米カリフォルニア(California)州で開催された「TEDカンファレンス(TED Conference)」でこう説明した。ただし、ウィキハウスで造れるのは家の枠組部分だけで、配管や電気系統、その他屋内設備は含まれないという。
パービン氏によると、家を自作しようという意欲あふれる人はまず、建材を自分で用意する必要がある。建材は、ウィキハウスのウェブサイトからダウンロードしたデータを使い、CNCと呼ばれるコンピューター制御の工作機械で切り出すことができる。切り出しに他の工具は一切必要ない。
「巨大なジグソーパズルを作るようなもの。僕に言わせれば、要するに魔法だね」とAFPに語ったパービン氏。2008年に大学を卒業したが、建築家業界の就職難に直面した同氏は、通常のキャリアの道から外れて1年半前、ウィキハウスの立ち上げに加わった。
パービン氏によると、消費者自身が自分が欲しいと思うものの作り手(メイカー)になる「メイカーズ運動」と呼ばれるトレンドは、3DプリンターやCNC工作機械のような技術が手軽に入手できるようになってきていることも相まって拡大を続けている。「モノ作り版のウィキペディアがあったら、どんなに素晴らしいだろう。それによって、ルールがどれほど変わるだろうか。技術は僕たちの味方なのです」。
パービン氏は、21世紀のデザインにおける大きな課題は「生産の民主化」であると考えている。
ウィキハウスは現在、粗末な小屋が立ち並ぶブラジルのスラム街「ファベーラ」で実験段階にある。家具を製作するために置かれたCNC工作機械が、ゆくゆくは住宅建築に使用され、スラムの姿を変えることが期待されている。(c)AFP/Glenn Chapman
「WikiHouse.cc」はオープンソースの建築キット。これを使えば、住宅の設計図を自分で制作・共有し、数千ドル(数十万円)ほどの安価な機械を使って建築部材を「印刷」することができるという。住宅の設計や建築に関する情報とツールを消費者に無償提供したいと考えた建築家のコレクティブ(共同体)、「ウィキハウス」が取り組んでいる活動の一環だ。
「2、3人いれば1日程度で小さな家が建てられる」。ウィキハウスで自身の作品を公開している英建築家のアラステア・パービン(Alastair Parvin)氏は2月28日、米カリフォルニア(California)州で開催された「TEDカンファレンス(TED Conference)」でこう説明した。ただし、ウィキハウスで造れるのは家の枠組部分だけで、配管や電気系統、その他屋内設備は含まれないという。
パービン氏によると、家を自作しようという意欲あふれる人はまず、建材を自分で用意する必要がある。建材は、ウィキハウスのウェブサイトからダウンロードしたデータを使い、CNCと呼ばれるコンピューター制御の工作機械で切り出すことができる。切り出しに他の工具は一切必要ない。
「巨大なジグソーパズルを作るようなもの。僕に言わせれば、要するに魔法だね」とAFPに語ったパービン氏。2008年に大学を卒業したが、建築家業界の就職難に直面した同氏は、通常のキャリアの道から外れて1年半前、ウィキハウスの立ち上げに加わった。
パービン氏によると、消費者自身が自分が欲しいと思うものの作り手(メイカー)になる「メイカーズ運動」と呼ばれるトレンドは、3DプリンターやCNC工作機械のような技術が手軽に入手できるようになってきていることも相まって拡大を続けている。「モノ作り版のウィキペディアがあったら、どんなに素晴らしいだろう。それによって、ルールがどれほど変わるだろうか。技術は僕たちの味方なのです」。
パービン氏は、21世紀のデザインにおける大きな課題は「生産の民主化」であると考えている。
ウィキハウスは現在、粗末な小屋が立ち並ぶブラジルのスラム街「ファベーラ」で実験段階にある。家具を製作するために置かれたCNC工作機械が、ゆくゆくは住宅建築に使用され、スラムの姿を変えることが期待されている。(c)AFP/Glenn Chapman