【1月31日 AFP】韓国のサムスン電子(Samsung Electronics)が米アップル(Apple)の特許を侵害したとして賠償金10億ドルの支払いを命じられた特許訴訟で、カリフォルニア(California)州の連邦地裁は29日夜、サムスンの侵害は「故意」ではなかったとの判断を示し、アップルによる賠償額の引き上げ請求を却下した。一方、サムスンが求めていた裁判のやり直しの申し立ても却下した。

 この訴訟は、スマートフォン(多機能携帯電話)やタブレット型端末の特許をめぐってアップルがサムスンを訴えたもの。昨年8月24日の陪審評決はサムスンの侵害を「故意」だと認め、10億ドルの賠償をサムスンに命じたが、サムスンはこの評決について、消費者にとって損害でありアップルは特許制度を「操作している」と非難していた。

 連邦地裁のルーシー・コー(Lucy Koh)判事は29日夜、40ページにわたる判決の中で、裁判は公正に行われており「裁判のやり直しは正義に反する」と指摘。ただし、提出された証拠はサムスンがアップルの特許を侵害していると認識しつつ自社製品を製造したと「明白かつ説得力のある証拠」だとは認められず、従ってサムスンの侵害は「故意」ではなかったと結論付け、評決の一部を覆した。(c)AFP