【1月15日 AFP】ロシアのインターネットセキュリティー大手カスペルスキー・ラボ(Kaspersky Lab)は14日、「レッド・オクトーバー(Red October)」という新しいコンピューターウイルスを特定したと発表した。

 同社の発表によると、レッド・オクトーバーは遅くとも2007年には使われており、主に東欧諸国や旧ソ連諸国、中央アジアの国々を狙って北大西洋条約機構(NATO)や欧州連合(EU)の秘密情報ファイルを集めていたとみられるが、西欧や北米でも被害があったという。各国の外交・政府関連機関の他、エネルギーや原子力、貿易、航空宇宙関連の組織も狙われていたという。

 このウイルスはスマートフォンにも感染し、他のシステムを攻撃するためのログイン情報を集めていたという。さらに同社は、このウイルスの作成者はロシア語が話されている社会の出身であることを強くうかがわせる技術的証拠があるとしている。

 1997年に設立されたカスペルスキー・ラボは、2300 人以上の専門家を擁するコンピューターセキュリティーとアンチウイルスソフトウエア分野の世界有数の企業。(c)AFP