【12月14日 AFP】米国は13日、インターネット規制を国連(UN)機関の国際電気通信連合(International Telecommunications UnionITU)の管理化に置く国際条約の改定案について、署名を拒否する方針を明らかにした。

 アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ(Dubai)で3~14日の日程で開かれているITUの世界国際電気通信会議(World Conference on International Telecommunications)では、193か国が1988以来初となる国際電気通信規則(ITR)の改定が協議されている。

 自由で規制のないインターネット環境を維持したい欧米諸国は、「テレコム(電気通信)」という用語にインターネットを含めるべきではないとの立場だが、ロシアや中国、サウジアラビアなどはネット利用や投稿・掲載内容を規制したい考えで、会議では両者の溝が浮き彫りになった。

 米代表団を率いるテリー・クレーマー(Terry Kramer)氏は13日、条約改定案には「インターネットガバナンス(統治)について政府による規制を盛り込もうとする」文言が含まれていると指摘。「現時点の法案には署名できない」と表明した。

 世界国際電気通信会議の情報リークサイト「WCITLeaks」に掲載された改正案の文面は、「世界のインターネットガバナンスおよびネットの安定性、安全性、継続性に対し、全ての政府は等しく役割と責任を負う」となっている。クレーマー氏はこの改正案について、スパム攻撃やサイバーセキュリティーへの政府の関与を認める内容で、「政治的な発言など(セキュリティーと無関係の)コンテンツ規制につながる」と述べている。

 クレーマー氏によれば、米国の他にも少なくとも10か国が署名を拒否するか、態度保留の意向を示しているという。(c)AFP/Rob Lever