【9月21日 AFP】米アップル(Apple)が先日リリースしたモバイル端末用の基本ソフト(OS)「iOS6」に搭載された地図アプリの情報が「間違いだらけだ」として、世界各国のユーザーから苦情が相次いでいる。

 新OSは米国時間の19日(日本時間20日)にリリースされたが、間もなく米国、英国、中国、フランス、日本など各国のユーザーから、新しい地図アプリではランドマークの場所が間違っていたり、そもそも記載されていなかったりするとの不満の声が上がった。

 iOSにはこれまで米グーグル(Google)の地図ソフトが搭載されていたが、アップルは6月、iOS6からはこれを自社製の地図ソフトウエアに置き換えると発表していた。iOS6はiPhone(アイフォーン)、iPad(アイパッド)、iPod Touch(アイポッド・タッチ)といったモバイル端末向けにリリースされ、インストールすればユーザーは新しい地図アプリを使うほかなくなる。

■あちこちにおかしな点が

 ユーザーからの指摘によれば、地図に使われる衛星写真では、特に雨の多いスコットランドなどで雲に隠れて地面が見えない部分が多数確認された。また、英サッカーチームの「マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United Football Club)」を英語で検索すると、「Sale United Football Club」という5歳から入団できる子供向けチームが表示されるという。

 そのほか、米シカゴ(Chicago)にあるシアーズタワー(Sears Tower)は高さが縮み、フィンランドのヘルシンキ(Helsinki)にある鉄道駅は「公園」として登録され、英国にある家具博物館は川の中にあるかのように表示されるなどの間違いも指摘された。

 アイルランドのアラン・シャッター(Alan Shatter)司法相は、ダブリン(Dublin)の自分の選挙区にある「エアフィールド(Airfield)」という名の農場が空港と間違われている問題を直ちに修正するよう求める書簡をアップルに送った。

■iPhone 5にも搭載

 地図アプリの開発でアップルに協力したオランダの衛星利用測位システム(GPS)端末メーカー、トムトム(TomTom)は英BBCに、「地図データを提供しただけなのでアップルが独自に行った作業に対する責任は負わない」、と述べた。

 グーグルの地図情報サービス「グーグルマップ(Google Maps)」の公式アプリは今のところアップル製品向けに提供されていないが、同サービスはウェブブラウザーから利用することができる。

 iOS6の地図以外の機能には高評価を得ているものもあるが、地図アプリの欠陥はiOSのすべり出しの足を引っ張った。アップルの新しい地図アプリは21日発売の新型スマートフォン(多機能携帯電話)「iPhone 5」にもプリインストールされている。(c)AFP