【7月9日 AFP】マルウエア(悪意のあるソフトウエア)に感染した世界中の数十万台のコンピューターが、9日にインターネットの利用が不可能になる恐れがある――コンピューターセキュリティの専門家らがこのように警告している。

 問題のマルウエアは2007年に発見された「DNS Changer」というコンピューターウイルスで、ウェブブラウザのドメインネームシステム(DNS)を乗っ取り、ネットのトラフィックをリダイレクトするように設計されている。ウイルスの背後にいたハッカー集団は、米連邦捜査局(FBI)やエストニア警察などにより2011年に活動停止に追い込まれた。

 ウイルスが制御するウェブのトラフィック量があまりにも膨大だったことから、代替サーバーで感染コンピューターのトラフィックフローを正常化することをFBIに認める裁判所命令が出されていた。だがこの裁判所命令は9日に期限を迎えるため、感染コンピューターには「インターネットの終末」が訪れると専門家らはみている。

 FBI、フェイスブック(Facebook)、グーグル(Google)、プロバイダ、ネットセキュリティー会社といった各機関がこの問題についてユーザーに知らせ、対策を取るように呼びかけてきた。

 だが専門家らが立ち上げた作業部会によれば、6月11日の時点でまだこのウイルスに感染しているコンピューターは30万台以上に上るとみられている。最も感染が多いのは米国(6万9000万台)だが、その他にもイタリア、ドイツ、インド、英国、カナダ、フランス、オーストラリアなど十数か国で感染が広がっていると考えられている。

 詳しい感染台数は分かっていないが、コンピューターセキュリティの研究教育機関SANS Security Instituteの研究者Johannes Ullrich氏は、感染したコンピューターの多くは今では使われていないことから影響は最小限にとどまるだろうと予測している。

 自分のパソコンが感染しているかもしれないと思う人は、作業部会のウェブサイト(http://www.dcwg.org/)や各ネットセキュリティー会社のページで感染の有無をチェックできる。(c)AFP/Rob Lever