【6月29日 AFP】米グーグル(Google)は28日、自社のウェブブラウザ「Chrome(クローム)」の米アップル(Apple)製端末向けバージョンの配信を開始した。端末上のアプリ「App Store(アップストア)」からダウンロード可能になっている。

 発表したChromeの製品管理責任者ブライアン・ラコウスキ(Brian Rakowski)氏によるとChromeをiPhoneで使いたいという要望が多く寄せられていたが、iPad向けにも合わせて配信することを決めたという。

 これまでアップルの端末で使用できるブラウザは、アップルのブラウザ「Safari(サファリ)」か、サファリと同じレンダリングエンジン(ブラウザの中心的な部分で、読み込んだデータを適切に表示させる機能を担う)を使ったものに限定されていた。

 米調査会社NPDグループ(NPD Group)のアナリスト、ロス・ルービン(Ross Rubin)氏は、アップルが他社のレンダリングエンジンを搭載したブラウザの配信を許可すれば、モジラ財団(Mozilla Foundation)の「Firefox(ファイアフォックス)」や米マイクロソフト(Microsoft)の「インターネット・エクスプローラー(Internet Explorer)」といったブラウザも関心を示すだろうと話している。

 グーグルは同日、オンラインのデータ保存サービス「グーグル・ドライブ(Google Drive)」についてもiPhone、iPod、iPad向けバージョンを公開。マイクロソフトの「SkyDrive(スカイドライブ)」などと共にアップルの「iCloud(アイクラウド)」に挑む。

 グーグル・ドライブはネット上に「ロッカー」を提供するクラウドベースのサービスで、データセンターに保存したドキュメントや画像などのファイルに好きなネット端末からアクセスできる。(c)AFP/Glenn Chapman