【6月22日 AFP】フランス通信(AFP)は21日、ツイッター(Twitter)上での外交活動を集約し、世界情勢や各国の影響力を評価・視覚化するインターネットアプリケーション「e-diplomacy Hub」を立ち上げた。

 e-diplomacy Hub(www.ediplomacy.afp.com)を運営するAFPの「ジオポリティクス(地政学)」ブログの編集者、マーロウ・フッド(Marlowe Hood)氏は、「知識欲のある一般利用者向けに開発したものだが、専門家にとっても有益だと分かった」と語った。

 試験段階では、欧米および中東の外交官らの協力を得て、適切な「つぶやき」を集約する技術を開発したという。ツイッターには現在、4億人のアカウント登録者がいる。

「デジタルディプロマシー」に詳しいフリージャーナリスト、ジョーン・ティルイン(Joan Tilouine)氏も開発に参加した。「デジタルディプロマシー」の定義について同氏は、「国家や市民社会が、外交政策の推進や世論に影響を与える手段としてSNSを用いることだ」と説明する。

 e-diplomacy Hubのデータベースは、150を超える国々の首脳や政府関係者、外交官、専門家、外国特派員、活動家らのツイッターアカウント、4000以上を集約。またソマリアのイスラム過激派組織アルシャバブ(Shebab)、コロンビアの左翼ゲリラ「コロンビア革命軍(FARC)」、アフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)などの不法武装組織による、ツイッターを利用した犯行声明の発表や組織理念の普及手法を分析した項目もある。

 AFPが開発したアルゴリズムは、国家や個人の影響力レベルを算出し、外交専門家らがネット上で最も頻繁にとりあげている国際問題を提示するものとなっており、精査過程を経たe-diplomacy Hubのデータが、画面上のインタラクティブ・マップ、図表、ツイッターフィードとして表示される。

 AFPのエマニュエル・オーグ(Emmanuel Hoog)最高経営責任者(CEO)はe-diplomacy Hubの意義について、「地球規模でニュースを配信するAFPの役割の核心がここにある。『雑音』を取り除くことで、世界でおきている出来事の真の輪郭が鮮明に見えてくるのです」と説明した。

 立ち上げから数か月間は一般にも公開するが、その後は専門家やメディア向けの有料サイトとする可否を決定するという。(c)AFP