【6月12日 AFP】米アップル(Apple)は11日、iPhoneiPadiPod touch向けOS「iOS 6」を披露するとともに、中国市場に照準を合わせ、そしてグーグル(Google)の地図検索サービス「グーグルマップ(Google Maps)」を基本のアプリから除外する方針を発表した。

 アップルは世界開発者会議(WWDC)で、パーソナルアシスタント「Siri(シリ)」で動作する独自の地図アプリ「Maps」などを搭載するiOSの新バージョンを披露し、中国ユーザー向けの機能などを紹介した。

■iOS 6:新地図アプリ、Siriの強化、フェイスブックの利便性向上

 iOS 6に含まれる新機能は数百に上る。グーグルのアンドロイド(Android)OS搭載のライバル端末の引き離しを狙うアップルは、年内にiOS 6をリリースする予定だ。

 アップルはiOS 6からグーグルマップを除外。アンドロイドOS搭載端末メーカーとのし烈な競争に新たな争点が生まれた。

「地図製作を全て自前で行っている。世界中をカバーする」とアップルのスコット・フォーストール(Scott Forstall)上級副社長は語った。Mapsではレストランなどの口コミ評価サイト「イェルプ(Yelp)」のレビューやレーティングを地図から利用できるという。

「中国での地域検索も可能だ」とフォーストール氏は述べ、iOS 6には中国専用の機能が多数含まれていると付け加えた。

 アップルのMapsは、長期的にはiPhoneとiPadユーザーをグーグルの検索サービスから離れさせる可能性があり、グーグルの収益減につながる可能性があると指摘する声もあがっている。

 またiOS 6ではSiriの機能も強化される。「Siriはまだ発表されてから8か月。この8か月でSiriは学習し、多くのことを学んだ」とフォーストール氏。現行のSiriはiPhone 4S用だが、新バージョンはiPadも利用可能になる。

 さらにiOS 6では米SNSフェイスブック(Facebook)がより使いやすくなるという。

■Mac OS新バージョンも7月に登場

 マッキントッシュPC用の新OS「Mountain Lion」では音声認識技術を向上。アップルのCraig Federighi上級副社長は「文字入力できるところは全部音声入力できるようになる」と語った。

 また、中国語の辞書刷新や漢字の追加などで「中国語の入力方式が大幅に改善」され、百度(バイドゥ、Baidu)などの中国国内で人気の検索サービスがサポートされる。

 Federighi氏は、開発者らに向けて「あなたたちのアプリも中国対応に」と呼びかけた。

 Mountain Lionは7月、20ドルで発売される。(c)AFP/Glenn Chapman

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