【5月24日 AFP】前週18日の米SNSフェイスブック(Facebook)の新規株式公開(IPO)をめぐり、株価の急落で損失を被った投資家らが23日までに、フェイスブックや引受幹事、ナスダック(NASDAQ)市場の運営会社を相次いで提訴した。

 フェイスブックと引受主幹事のモルガン・スタンレー(Morgan Stanley)、ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)ら大手金融機関を相手取っては、重要な情報を大口投資家にのみ公開し一般投資家には開示しなかったとして、少なくとも6つの集団訴訟が起こされている。

 グランシー・ビンカウ・アンド・ゴールドバーグ(Glancy Binkow & Goldberg)法律事務所によると被告らは、フェイスブックの上場直前に同社の業績予想を下方修正したにもかかわらず、この情報を一部の大口投資家にのみ公開し一般には開示しなかったとされる。

 また、これらの集団訴訟とは別に、損失を被ったのはナスダックのシステム障害のせいだとして投資家1人がナスダックOMXグループを訴えている。

 長く上場が待ち望まれていたフェイスブックは18日、満を持してナスダック市場でIPOを実施。初日取引は4億2100万株に達し、IPOでは米企業歴代2位となる160億ドル(約1兆2700億円)を調達した。

 かつて米インターネット検索大手グーグル(Google)やプロフェッショナル向けSNSリンクトイン(LinkedIn)のIPOでは上場後に株価が急騰したことから、短期利ざやを狙う投資家らはフェイスブック株に飛びついたが、週明け市場ではナスダックのシステム障害で数百万件の取引が影響を受け機関売りが殺到したこともあり、株価が急落。上場3日目で18%下落した。

 原告団は、引受幹事から特権的に情報を得た大口の機関投資家がフェイスブック株の売りに走り、一般投資家がそのつけを支払わされたと訴えている。

 一方、フェイスブックは株式公開後初の声明で、ニューヨーク連邦地裁(New York District Court)に起こされた集団訴訟について原告側の主張を強く否定。「このような訴訟はなんの得にもならない」として、断固として対決する姿勢を示した。(c)AFP

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