【3月13日 AFP】米国人の大半はインターネットの検索サービスに満足している一方、個人の嗜好(しこう)を基に表示されるターゲット広告については「プライバシーの侵害」と感じていることが、米非営利調査機関ピュー・リサーチ・センター(Pew Research Center)が9日に発表した調査結果で明らかになった。

  ピュー・リサーチ・センターが18歳以上の2253人を対象として1月20日から2月19日に行った調査「インターネットと米国人の生活プロジェクト(Internet & American Life Project)」によると、回答者の91%が、探している情報をほとんど、あるいは常に見つけることが出来ると答えた一方、ターゲット広告や個人向けにカスタマイズされた検索結果を表示するサービスを快く思っていないとの回答は、過半数を超えた。

「ネット上の行動を追跡・分析されたくないので、ターゲット広告は良くない」との回答は、全体の68%。また、検索履歴の情報を集め、これを検索結果に反映させる各個人にカスタマイズされた検索サービスについて、「プライバシーの侵害なので良くない」との回答は73%に上った。さらに65%が、検索結果のカスタマイズは「検索結果が限定されるので良くない」と答えた。

 一方、検索エンジン企業がカスタマイズ検索サービスを目的に個人のネット検索動向を追跡することについて、「興味に合った広告や情報を見ることができるので問題ない」との回答は28%、「プライバシーの侵害にはあたらない」との回答も23%に留まった。

 同調査の報告書をまとめたクリステン・パーセル(Kristen Purcell)氏は、「検索エンジンは、以前にも増して情報を探し当てる重要なツールとなってきているが、大半のユーザーは検索履歴が個人向けの情報発信に使用されることを快く思っていない」と分析。「検索エンジン企業が検索履歴を追跡することについて、ユーザーの大多数はプライバシーの侵害だと感じたり、検索結果が限定されることを懸念している」と結論付けた。

 同じ調査で、最もよく利用する検索エンジンについても質問したところ、グーグル(Google)との回答が83%に上り、2004年の47%から大きく躍進した。これに対し、競合のヤフー(Yahoo!)は6%、米マイクロソフトのビング(Bing)は3%で、検索エンジン市場は、ほぼグーグルの独占状態にあるという結果が出ている。(c)AFP