【12月26日 AFP】中国国営新華社(Xinhua)通信は25日夜、上海(Shanghai)市が26日から、中国版ツイッター「新浪微博(Sina Weibo)」利用者に実名登録を義務付けると伝えた。

 報道によると、上海市当局は新規制について「健全なインターネット文化を育む」こととソーシャルネットワークの運営向上が目的だと説明している。新ガイドラインは上海市内の個人・企業の双方が対象になる。

 これまで新浪微博のユーザーは仮名でアカウントを作成できた。そのため当局が投稿者を特定するのが難しく、また既存のアカウントを閉鎖しても次々と新たなアカウントが開設される状況だった。

 上海市に先立って、北京(Beijing)市が今月16日に新浪微博ユーザーの実名登録を義務化している。また、22日には国営紙・南方日報(Southern Daily)が、工業の盛んな広東(Guangdong)省でも、新浪微博の実名登録義務付けが決まったと報じたばかり。

■広がる抗議運動、ウェブの影響力を警戒

 広東省の工場地帯を中心に住民の抗議行動が激化する中、地方当局はソーシャルメディアの規制を進めている。最近の土地収用や発電所建設に抗議するデモでも、当局の情報統制をかいくぐって住民らがデモの写真と報告を次々と新浪微博に投稿した。

 当局によるウェブ規制は厳しいものの、汚職やスキャンダル、災害などへの怒りや不満を新浪微博で発言する中国人はますます増えている。7月に発生した高速鉄道事故では、新浪微博ユーザーが事故をいち早く伝え、事故後の政府批判もオンラインを中心に広がった。

 現在、日常的にインターネットを利用する中国人は5億人以上。既存メディアの報道が厳しく規制されている同国で、インターネットが世論に及ぼす影響力に当局は懸念を強めている。(c)AFP

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