【9月21日 AFP】内部告発サイト「ウィキリークス(WikiLeaks)」の創設者、ジュリアン・アサンジ(Julian Assange)容疑者のサイン入りの外交公電や、同容疑者が勾留施設から持ち出したインスタントコーヒーに、ご関心は?これらは、資金難に陥ったウィキリークスが、オークションに出品した品々だ。

 ビザ(Visa)やマスターカード(Mastercard)などの大手クレジットカード会社やオンライン決済サービスのペイパル(PayPal)から取引を停止されため資金が底をついたウィキリークスは、手元のユニークな品々を金に換えて経営資金を得ようとオークションを行っている。

 計4回予定されている競売の第1回オークションは前週末、競売サイトのイーベイ(eBay)で行われた。

 最も高額な出展品となったのは、最低落札価格が6000ポンド(約72万円)に設定されたノートパソコンだ。このパソコンは、ミラーサイト「Cablegate」で数万件もの米外交公電の公開に使用されたノートパソコン2台のうちの1台だ。

 ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)米国務長官が国連(UN)に対する諜報活動を命じた公電コピーの最低落札価格は、2100ポンド(約25万2000円)に設定された。この公電はアサンジ容疑者のサインと指紋入りだ。

 英ファッションデザイナー、ヴィヴィアン・ウエストウッド(Vivienne Westwood)氏が保釈軟禁中のアサンジ容疑者への誕生日プレゼントとして寄付した、9月末の2012年春夏ファッションショーのチケットは、850ポンド(約10万2000円)からのスタートとなった。

 19日夜までに最も多くの入札者を集めたのは、昨年12月にスウェーデンでの婦女暴行容疑で逮捕され収容されたロンドンのワンズワース刑務所(Wandsworth Prison)から1週間後に保釈された際、アサンジ容疑者が持ち出した未開封のインスタントコーヒーだ。9人が入札に参加し、価格は200ポンド(約2万4000円)から250ポンド(約3万円)につり上がった。

 ウィキリークスによると、オークションの売上げ収入は、スウェーデン移送の決定を不服として上訴したアサンジ容疑者の訴訟費用に回ることはなく、全てウィキリークスが公電公開を続けるための費用となるという。

 第1回のオークションは22日に締め切られる。

 ウィキリークスは6月にも、運営資金を捻出するため、「アサンジ容疑者と食事する権利」を競売にかけている。

 ウィキリークスとの取引を停止したカード会社のうち、その理由を明示した企業は一社もない。(c)AFP