【9月21日 AFP】米SNSフェイスブック(Facebook)向けアプリケーションのエコシステム(収益構造)は、米国で少なくとも18万2000件の雇用を生み出し、利益や給与を通じて米経済に百億ドル規模の貢献をしたとの研究が、19日に発表された。

 研究を行ったのは米メリーランド大学(University of Maryland)のロバート・H・スミス・ビジネススクール(Robert H. Smith School of Business)の研究チーム。「より積極的な推計」をとれば、フェイスブックの「App Economy(アプリ経済)」は23万5644件の雇用を創出したという。また、給与や利益による米経済への寄与は、121億9000万ドル(約9300億円)から157億1000万ドル(1兆2000億円)に上った。

「研究で、ソーシャルメディアプラットホームは盛況な新市場を生み出したことを確認した」と、メリーランド大のイルホール・ハン(Il-Horn Hann)氏は述べ、「フェイスブックなどのプラットホームが成長するにつれ、雇用拡大が続き、米経済への波及効果がみられるだろう」と語った。

■他部門での新規雇用も刺激

 フェイスブックは全世界に7億5000万人以上のメンバーを持ち、サードパーティーが開発したフェイスブック向けアプリケーションは数万点を数える。

 研究によると、フェイスブックでは1日あたり合計2000万点のアプリケーションがインストールされている。また、フェイスブックのプラットホーム向けのアプリケーションを開発するソフトウエア会社では5万3000件の雇用が生み出された。

「アプリ経済で生み出された雇用が、米経済の他部門での新規雇用の刺激となっている」と研究は述べる。「まず、アプリ開発企業にサプライを提供する事業で雇用が生まれる。次に、アプリ開発企業とサプライ企業で働く人びとの収入により家計消費が伸び、結果として新たな雇用が生まれる」

 研究は、「ファームヴィル(FarmVille)」や「マフィア・ウォーズ(Mafia Wars)」などのフェイスブック向け人気ゲームのメーカー、ジンガー(Zynga)は、2000人以上の従業員を抱え、推計企業価値は150億~200億ドル(約1兆1000億~1兆5000億円)に上っていると付け加えた。(c)AFP