【9月9日 AFP】米インターネット検索大手ヤフー(Yahoo!)の最高経営責任者(CEO)を解任されたばかりのキャロル・バーツ(Carol Bartz)氏が、米経済誌フォーチュン(Fortune)のインタビューで、同氏一流の辛辣(しんらつ)な表現を使ってヤフー経営陣への怒りをあらわにした。6日にロイ・ボストック(Roy Bostock)会長から電話で解任を告げられて以来、バーツ氏がインタビューに応じるのは初めて。

 バーツ氏は6日夜、ボストック会長からの電話をとった。すると、会長は弁護士が用意した原稿をそのまま読み上げ始めたため、バーツ氏は言った。「ロイ、それって原稿を読んでるだけでしょ。自分で言うくらいの度胸は見せなさいよ」。ボストック会長が電話口で原稿を読み終えると、バーツ氏は言い放った。「あなたって、もっと気が利いた人だと思ってたわ」

 バーツ氏によると、2012年まで増収は見込めないと言われたにもかかわらず、ヤフーの取締役会は増収を要求したという。

 バーツ氏がヤフーに入社したのは2009年1月。それより前にヤフーの経営陣はマイクロソフト(Microsoft)が申し出た470億ドル(約3兆6000億円)の買収提案を断っていた。ヤフーの取締役たちはこの判断に対する批判にイライラしていたという。「米国で最低の取締役呼ばわりされたことで、取締役たちは相当おじけづいていた。それで、自分たちは間抜けじゃないと見せたがっていた。でも本当に間抜けなんだけど」

 ヤフーの取締役会に噛み付いたのはバーツ氏だけではない。

 ヤフーの5.1%の株式を保有するヘッジファンド、サードポイント(Third Point)のファンドマネジャー、ダニエル・ローブ(Daniel Loeb)氏は9日、取締役会に宛てた書簡のなかでバーツ氏の解雇を歓迎した一方、「現取締役会が下してきた決断が、ヤフー株価の低迷につながっている」などと取締役らに対する数々の批判を書き連ね、「新たな視点を持ったメンバーを加えるなど、早急に取締役会を再編すべき」だと主張した。(c)AFP/Chris Lefkow

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