【8月19日 AFP】中国版ツイッター「新浪微博(Sina Weibo)」は18日、浙江(Zhejiang)省温州(Wenzhou)郊外で前月に起きた高速鉄道事故で、当局批判の書き込みが殺到した同マイクロブログのユーザーが2億人に達したと発表した。

 40人が犠牲となったこの鉄道事故について、「新浪微博」上では当局批判コメントが殺到し、当局は高速鉄道の拡大計画の凍結を迫られることとなった。さらに、国営メディアが世界最大の高速鉄道網の構築を急いだことによる安全軽視を批判するきっかけにもなった。国営メディアの当局批判は異例のことだ。

「新浪微博」の第2四半期決算発表で、曹国偉(チャールズ・チャオ、Charles Chao)最高経営責任者(CEO)は、「立ち上げからわずか2年で、新浪微博の登録ユーザーは2億人を超え、オンライン上の一現象となった」と宣言した。

 世界最大の4億8500万のネット人口を持つ中国で、当局は政治的なコンテンツを含むサイトへのアクセスを遮断するなど、ネット上の検閲に必死だ。一方、中国ではマイクロブログの本家、ツイッター(Twitter)へのアクセスが規制されているため、その中国版といえる「新浪微博」を舞台とした鉄道事故をめぐる当局批判は、情報統制の困難さを象徴している。

 高速鉄道事故の一報を伝えたのは、事故現場の近くに住む「新浪微博」ユーザーだと言われる。それから数日間、多数の「新浪微博」ユーザーが事故対応批判を展開し続け、その反応の規模の大きさは当局を慌てさせた。

 事故からまもなく、中国共産党の機関紙「人民日報(People's Daily)」は、当局は「新浪微博」を通じて市民と、もっと対話すべきだと論じている。

「新浪微博」は、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)では中国最大手、ウェブサイトとしては検索大手「百度(Baidu.com)」、ポータルサイト「QQ.com」に次いで第3位。(c)AFP

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