【8月19日 AFP】米IBMは18日、人間の脳の働きを真似るコンピューターチップの試作品を開発したと発表した。

 このチップを搭載した認知コンピューターは、経験を通じて物事を理解し、相関性を見出し、仮説を立て、記憶し、結果から学ぶことができるようになるという。

 また、複雑なリアルタイムの情報を複数のセンサーから取り込み、行動に置き換えることができる。例えば世界の水供給を監視する認知コンピューティング・システムは、水温、水圧、波の高さ、波の音などの情報を監視するセンサー網を使って津波警報を出すことが可能だという。

 同社は1956年から人工知能の開発に取り組んでいる。プロジェクトリーダーのダーメンドラ・モダ(Dharmendra Modha)氏は、「これらのチップは計算機から学習システムへコンピューターが進化していく上での重要な足がかりであり、新世代コンピューターの始まりを意味している。これからのコンピューターではますます、従来の装置では効率的に提供されてこなかった機能が必要とされていくだろう」と述べた。

 チップの試作品は、現時点では、ナビ、パターン認識、分類などの単純な分野での適用にとどまっているという。(c)AFP/Chris Lefkow