【6月26日 AFP】米サンフランシスコ(San Francisco)に本拠を置く顔認識技術ベンチャーViewdle(ビュードル)は22日、米グーグル(Google)の基本ソフト(OS)「アンドロイド(Android)」を搭載した多機能携帯電話(スマートフォン)を使って、周りの人びとが「バンパイア(吸血鬼)」なのか「バンパイアスレイヤー(吸血鬼を倒す人)」なのかを見分けることのできるAR(拡張現実)ゲームソフト「Third Eye(サードアイ)」の提供を開始した。

 サードアイは、不死のバンパイアと人類の守護者たちとの戦いを描く3部完結ゲームの第1弾。第1弾は、仲間を探しだし、来るべき戦いに向けて軍勢を作り出すことがテーマだ。第2弾以降が年内に発表される予定。

 このゲームは、スマートフォンのカメラを使った画像認識ソフトウエアのプレゼンテーションとしての役割も担っている。画像認識ソフトを使えば、たとえば目の不自由な人のための視覚補助や、忘れっぽい人のための記憶補助などができる可能性がある。

 ビュードルのジェーソン・ミツラ(Jason Mitura)最高製品責任者は、AFPの取材に「ある程度は、真のSFだと言える」と語る。「世界とふれあうための、人びとのデバイス(装置)の使い方が劇的に変化するだろう」

 このゲームの中軸を担う技術は、ビュードルの顔認識技術。4月に同社が提供開始したSocialCameraは、顔認識による写真の分類と、分類に基づいて米SNSフェイスブック(Facebook)や写真共有サイト「フリッカー(Flickr)」に写真をアップロードして共有することのできるアンドロイド携帯向けのソフトウエアだ。サードアイでもこの技術を用いて、相手が「吸血鬼」であるか、人類であるかを見分けている。

 ゲームは、スマートフォンを人に向けてかざすと始まる。ミツラ氏は、「このゲームは、設計上、プレイヤーに現実世界とふれあうことを求める」と語った。

「スマートフォンに人間の眼を与えているのさ」と、ビュードルの共同創設者で最高経営責任者のローレント・ギル(Laurent Gil)氏は語る。「スマートフォンに、人間が世界を眺めているように世界を見させてやるのさ。つまり人工知能だね。それは現実になりつつあるんだよ」

(c)AFP/Glenn Chapman