【5月5日 AFP】米SNSフェイスブック(Facebook)利用する子どもの父親が、わが子の「いいね(Like)」ボタンへの反応を保護者に無断で広告として利用されたなどとして3日、同社を相手取り、利用の中止や賠償などを求める訴訟をニューヨーク(New York)連邦地裁に起こした。

 スコット・ナストロ(Scott Nastro)さんと息子は代理人を通して、フェイスブックが製品やサービスの宣伝「Social Ads(ソーシャル広告)」にナストロさんの息子など未成年ユーザーの名前や趣味趣向を使用しているのは不適切だと訴えている。また、5億人以上のユーザーの中からおすすめのメンバーを紹介する「Friend Finder(フレンドファインダー)」についても、未成年を無断で含めていることを問題とした。

 フェイスブックは2007年末、特定のレストランのレビューを書いたり、特定のブランドの「いいね!」ボタンを押したりなど、ユーザーのネットでの行動に関連づけて広告を表示する「ソーシャル広告」を開始した。

 しかしナストロさんらの代理人は、未成年ユーザーについては、広告などへの関連付けには保護者の許可が必要だと主張。「ソーシャル広告」や「フレンドファインダー」に未成年メンバーを関連づけることを禁止するよう求め、損害賠償や子どもを使った広告で得られた広告費を請求している。

 ナストロさん側は、名前や趣味趣向を「ソーシャル広告」に使われたニューヨーク州在住の18歳未満のフェイスブックユーザー全員の集団訴訟にしたい考えだ。

 一方のフェイスブックは、AFPの取材に電子メールで「この訴訟は、訴訟要件に欠けていると考えている。精力的に闘うつもりだ」と回答した。

 フェイスブックの未成年ユーザーをめぐっては前年にも、米カリフォルニア(California)州で同様の訴訟が起こされている。(c)AFP