【4月28日 AFP】米アップル(Apple)は27日、同社がiPhone(アイフォーン)ユーザーの位置情報を追跡していたとされる問題で、これを否定する声明を出した。ただし、位置情報を暗号化しないで最大1年間保存するソフトウエアの「バグ」は存在していたとし、修正する意向を明らかにした。

 この問題は、英国の2人の研究者が、iPhoneとiPad(アイパッド)向けの最新OS「iOS 4」が緯度と経緯から成る位置情報をタイムスタンプと共に隠しファイルに保存しており、取り出しも容易だと指摘したことから、表面化した。

 アップルは声明で、「アップルはiPhoneユーザーの位置情報の追跡も記録もしていないし、今後するつもりもない。ただし、iPhoneがユーザーのリクエストに応じて現在位置を速く正確に計算できるよう、近くの無線LANホットスポットと基地局のデータベースは保持している」と反論した。

 同社の説明によると、iPhoneに表示される位置情報は実際には「最寄りの無線LANホットスポットと基地局」の位置を示すものであり、ユーザーの位置から100マイル以上離れている場合もあるという。

 さらに、同社に送られてくるデータは暗号化されており、匿名性が守られているとして、「データの発信源を特定することはできない」と強調した。

 同社は、位置情報をiPhone本体で暗号化する修正ソフトを数週間以内に配布すると発表。無線LANホットスポットと基地局のデータがiPhoneに保存される期間も現在の最大1年間から7日に短縮する計画も明らかにした。(c)AFP/Chris Lefkow