【2月9日 AFP】米インターネット・セキュリティーソフト大手のマカフィー(McAfee)は8日、2010年第4四半期(10-12月)に発生したコンピュータへの脅威をまとめた報告書「McAfee Threats Report」を発表し、スマートフォン(多機能携帯電話)がハッカーやスパマー(大量迷惑メールの送信者)の標的となる傾向が強まっていると警告した。悪意のあるソフトウエア、通称「マルウエア」の数は、前年同期比で46%も増加した。

 スマートフォンやタブレット型PCの人気拡大に伴い、こうした携帯端末への脅威は着実に増加しており、マカフィー・ラボ(McAfee Labs)のシニアバイスプレジデント、ビンセント・ウィーファー(Vincent Weafer)氏は、「最小限の努力で最大限のダメージを与えたいサイバー犯罪者は、人気の高い端末は何なのか、常に注視している」と話す。

 さらに、報告書は同期における「最も重大な脅威」として、アンドロイド(Android)OSを搭載したスマートフォンを標的とした新型ウイルス「Geinimi」(ゲイニミ)を挙げた。このウイルスは、正規のゲームアプリケーションに紛れ込んで、アンドロイド搭載スマートフォンに入り込むのが特徴だ。

 近年では、PCや携帯端末だけでなく、テレビもネットに接続されるようになったことから、インターネットでの検索結果を改ざんして、マルウエアを仕掛けたウェブサイトに誘導するという手口も横行しているという。
  
 また、米アドビシステムズ(Adobe Systems)の動画向けソフトウェア、フラッシュ(Flash)や PDF編集ソフトウェア、アクロバット(Acrobat)が、明らかにマルウエアの餌食として狙われていると、報告書は警告している。

 その一方で、良いニュースもあった。同じ時期のスパムメール発生量は、直近の3年間で最低レベルだった。(c)AFP