【1月10日 AFP】デジタル映画の売上を加速させようと、米ハリウッド(Hollywood)の大手映画会社やIT大手などが「一生にわたってどの端末機器でも自由に映画を視聴できる」プラットホームの提供を模索している。

 このプラットホーム「ウルトラバイオレット(UltraViolet)」を進めるのは、ワーナー・ブラザーズ(Warner Brothers)やマイクロソフト(Microsoft)、NBCユニバーサル(NBC Universal)、ソニー(Sony)、Foxなどが参加する「デジタル・エンターテインメント・コンテンツ・エコシステム(Digital Entertainment Content EcosystemDECE)」。端末やサービスの間の障壁を取り除き、映画の需要を喚起することがねらいだ。

 映画のデジタル配信は映画の新たな販売ルートとして何年も前から期待されてきたが、実際にはDVDの売上減をデジタル配信が補うような状況にはなっていない。

 ウルトラバイオレットでは、ネットで無料アカウントを作成すれば、DVDやネットで購入した映画がオンラインに保管され、テレビでもスマートフォン(多機能携帯電話)でもタブレット型端末でも、どの端末でも登録さえすれば視聴することができるようになる。

 米ネバダ(Nevada)州ラスベガス(Las Vegas)で開催中の世界最大級の家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(Consumer Electronics ShowCES)」で9日に開かれたパネルディスカッションに参加したワーナー・ブラザーズのデジタル配信部門代表は、「映画を購入すれば、同じものがクラウド上に届けられる。ハードディスクがいっぱいになったり、クラッシュしたり、ある端末で再生できるかどうかなどの心配をしなくて良くなる」と説明した。

 DECEディレクターのマーク・テイテル(Mark Teitell)氏によると、開発段階はすでに終えており、現在はコンテンツ事業者や販売店などとの調整を進めている。ウルトラバイオレット対応のテレビやブルーレイ(Blu-ray)プレーヤーなどは2012年に発売される見通し。しかし、ディズニー(Disney)やアップル(Apple)はDECEに参加していない。(c)AFP/Glenn Chapman