【10月20日 AFP】多機能携帯電話(スマートフォン)「ブラックベリー(Blackberry)」を製造するカナダの携帯情報端末大手リサーチ・イン・モーション(Research In MotionRIM)と、米アップル(Apple)の両トップが、7インチ型タブレット端末をめぐり舌戦を繰り広げている。

■7インチ型は「中途半端」

 先に口火を切ったのは、アップルのスティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)最高経営責任者(CEO)だ。18日に行ったアップルの2010年7~9月期決算の報告会でジョブズ氏は、競合他社が開発している7インチ型タブレットについて「スマートフォンとしては大きすぎ、(10インチの)iPadと対抗するには小さすぎる中途半端な存在」と切り捨てるとともに、「ユーザーがスクリーンキーにタッチしやすいように、指先をこするサンドペーパー(紙やすり)を搭載してはどうか」と皮肉をこめてメーカーに提案した。

 また、ブラックベリー(Blackberry)については「iPhone(アイフォーン)に対する勝ち目はなく、将来はない」と言い切った。

■「アップルの支配に消費者は閉口」

 これに対し、iPadに対抗する商品として7インチ型タブレット「プレーブック(PlayBook)」を開発中のRIMのジム・バルシリー(Jim Balsillie)共同CEOが19日、ブログ上で激しく反論。「アップルから考え方をいちいち強要されることに、消費者は閉口し始めている」と述べた。

 バルシリー氏はジョブズ氏の7インチ型タブレットへのコメントについて、「アップルによって歪曲された世界の外側に生きているわれわれには、7インチ型タブレットが実際に市場の大部分を占めることになることが分かっている」と切り返した。さらに、iPadが米アドビシステムズ(Adobe Systems)のメディア再生用ソフト「Adobe Flash(アドビ・フラッシュ)」に対応していない点を、「本当のウェブ体験を楽しみたい消費者にとって、Flash対応の有無は重要なことだ」と批判した。

「(IT製品の)『生態系』の支配をもくろみプラットフォームを非公開にする戦略が、アップルにとって都合がよいことは分かっている。だが開発者はより多くのオプションを求めており、消費者もFlashを使った膨大なウェブサイトに自由にアクセスしたがっている」(バルシリー氏)

 また、iPhoneの売り上げが「いとも簡単に」ブラックベリーを抜き去り、RIMに巻き返しの可能性は当面ないとのジョブス氏の発言についてもバルシリー氏は、「RIMの製品出荷高は、5期連続で史上最高を記録している。今期のブラックベリー出荷台数予想は1380万~1440万台だ」「アップルの7~9月期決算と、業界業績が上がる9月を含まない当社の6~8月期決算を比較しても、何の意味もない」と反論した。

 アップルは7~9月決算期、前年同期比91%増となる1410万台のiPhoneを売り上げている。(c)AFP