【8月7日 AFP】フランス政府のコンピューターセキュリティー機関CERTAは5日、米アップル(Apple)の多機能携帯電話(スマートフォン)「iPhone」やタブレット型携帯端末「iPad」、「iPod Touch」で2件のぜい弱性が発見されたと発表した。インターネット経由でユーザーのデーターに不正アクセスされたり、通話を盗聴されたりする危険性があるという。

 CERTAの発表に先立ち、コンピューターセキュリティー会社Vupen Securitiesの専門家がこれらのぜい弱性について警告していた。

 Vupenによれば、ぜい弱性の1つは、ユーザーがPDF形式のファイルを閲覧する際に発生するという。Vupenのシャウキ・ベクラル(Chaouki Bekrar)社長は5日、AFPの取材に対し、不正アクセスのためのウェブサイトに誘導されてPDFファイルを閲覧した際に、端末に不正アクセスされる危険性があると説明した。また、第2のぜい弱性は、データーエラーを通じて不正アクセスされることだという。

 CERTAは、この2つのぜい弱性を組み合わせると、アドレス帳や電子メール、文書ファイルなどの情報や、カメラ、マイク、衛星利用測位システム(GPS)など端末の全ての機能にアクセスされる恐れがあるとしている。

 CERTAによれば、この問題が発生する端末は、基本ソフト(OS)のバージョン3.1.2~4.0.1を搭載するiPhoneと、OSバージョン3.2~3.2.1を搭載するiPad、そしてOS3.1.2~4.0を搭載するiPod Touch。

 AFPは5日、この件についてアップルに問い合わせたがコメントは得られなかった。(c)AFP