【7月17日 AFP】米アップル(Apple)のスティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)最高経営責任者(CEO)は16日、同社の新型携帯電話「iPhone4」の受信感度で問題を体験したユーザーに謝罪し、この問題を改善する専用ケースを無償提供することを発表した。

 ダウジョーンズ・ニュースワイヤーズ(Dow Jones Newswires)によれば、ジョブズ氏は、アップル本社で会見し、iPhone4が過去のモデルと比べて通話が途切れることが多いことを認めた一方で、この問題は大げさに扱われすぎているとも語った。

 iPhone4のアンテナは特殊な形状をしており、携帯電話を包むように配置されている。一部のユーザーから携帯電話の左下を手で覆うと受信電波の感度が低下するとの苦情が出ていた。

 専用ケースを使用することで電波問題が改善したとのユーザーからの報告例もあり、ジョブズ氏は、iPhone4ユーザーにこの専用ケースを無償提供することを決めた。また、すでにこの専用ケースを購入済みのユーザーには購入代金を返金する。

 一方でジョブズ氏は、この問題はそれほど深刻なものではないと述べ、ほかの多機能携帯電話(スマートフォン)でもアンテナ問題は発生しており、iPhone4の問題だけが「大げさに扱われた。信じられない」と語った。

 さらにジョブス氏は、iPhone4がこれまでのiPhoneの中でも最高の顧客満足度を獲得していると強調した上で、「われわれも完ぺきではない」と認め、「問題の発生している顧客に謝罪する」と述べた。
 
 しかし、この問題で「5ドル下がった」アップルの株式を保有する投資家に対しては謝罪するつもりはないと語った。

 iPhone4は3週間前に発売開始され、これまでに300万台を販売。ジョブス氏によると、そのうち受信感度に関する内容でアップルのサポートセンターに苦情を寄せた顧客は0.55%に過ぎないという。

 また、iPhone4を米国キャリアのAT&Tに返品したユーザーは米国ユーザーの1.7%で、これは前モデルのiPhone 3GSの返品率の3分の1以下だ、とジョブズ氏は述べた。(c)AFP