【7月16日 AFP】英国で男が元ガールフレンドとその新しい恋人、警察官の3人を銃撃して逃走した末に自殺した事件で、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)のフェースブック(Facebook)にこの男を追悼するページを作成した女性が15日、英首相をはじめとする猛烈な反発を受けてページを閉鎖した。

 ラウル・トーマス・モート(Raoul Thomas Moat)容疑者は3人を殺傷した後、銃を持って約1週間にわたって逃走を続け、警察は重武装の警官隊を動員して英史上最大級の「犯人狩り」を行った。

 女性は、モート容疑者が自殺した土曜日に、容疑者を追悼するグループ「R.I.P. Raoul Moat You Legend!(安らかに眠れ、ラウール・モートは伝説だ)」をフェースブックに作成。たちまち3万8000人を超えるメンバーを獲得した。

 これに対し、激しい批判が噴出。デービッド・キャメロン(David Cameron)英首相が先頭に立ち、議員やメディアが呼応して、グループを閉鎖するようフェースブックに対応を要求した。フェースブック側は、ユーザーには自らの考えを表現する自由があるとして、要求を拒否していた。

 15日に英ラジオに出演したページ作成者の女性は、問題の追悼グループを閉鎖したことを明らかにしたものの、作成したこと自体には反省しておらず、今後グループを再開する可能性もあると示唆した。

 女性は、「(閉鎖は)数人で決めたが、また再開するつもりだ。彼(モート容疑者)が犯した罪を許すわけではない。でも、遺族には気の毒だが、彼も結局は人間だったのだ」「警察から1週間も逃げ続けた。警察をくぎ付けにしたという意味では、やっぱり伝説だと思う」などと語った。(c)AFP

【関連記事】英の元恋人銃撃事件、容疑者自殺で逃走劇に幕