【7月13日 AFP】音を感知する機能を備えた繊維の開発に米マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of TechnologyMIT)の研究チームが成功し、詳細を英科学誌「ネイチャー・マテリアルズ(Nature Materials)」8月号で発表した。

 この繊維は、マイクに用いられるプラスチックに似た素材から作られている。含まれるフッ素を調整して、圧力を加えると正負の電荷が発生する「圧電効果」をもたせた。この繊維に電圧をかけるとその形が変わる。

 開発された繊維に交流電流を流すと繊維が振動し、可聴周波数の電流を流して耳を近づければ繊維から発する音が聞こえるという。MITでは約10年前から「高度な機能を備え、周囲の環境に対応できる画期的な布地」の開発に取り組んできた。

 MITの研究チームによると、「この繊維で作った布地は数百万個の音響センサーが組み込まれているようなもの」で、用途としては「着るマイク」や、生体モニター機能を備えた衣服のほか、大洋の海流を監視する大型ネットや、高解像度の広域音響画像システムなどを想定している。(c)AFP