「iPhone」試作機の紛失騒動、米裁判所が資料公開
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【5月15日 AFP】米アップル(Apple)のスティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)最高経営責任者(CEO)が前月、同社の携帯端末「iPhone」の試作機を入手したITブログサイトのギズモード(Gizmodo)の編集長に直接連絡をとって返却を求めていたことが、14日に公開された裁判所の資料で明らかになった。
米カリフォルニア(California)州の裁判所が公開したジョブズ氏とブライアン・ラム(Brian Lam)編集長とのやりとりによると、試作機の返却を要求したジョブズ氏に対し、ラム編集長はアップル側がこの試作機が本物であると認めることを返却の条件として提示したという。
ラム編集長は「なるべく早くこの電話をお返ししたい。だがその前にこの試作機のことを記事にしたい。紛失からアップルに返却されるまでの経緯を、アップルによる証明もつけて記事にする」と返答した。
これを受けてアップルから試作機の所有権を確認する書面が届けられた。その後ラム氏はアップルはギズモードの編集者ジェーソン・チェン(Jason Chen)氏から端末を取り戻せるだろうと述べたという。チェン氏はビアガーデンでこの試作機を拾ったと主張するブライアン・ホーガン(Brian Hogan)さん(21)から試作機を5000ドル(約46万円)で買い取った人物。その後、警察はチェン氏の自宅を家宅捜索した。
■ルームメイトが説得
公開された資料で、ホーガンさんのルームメイト、キャサリン・マーティンソン(Katherine Martinson)さんが関係者に情報を提供していたことが明らかになった。ホーガンさんがマーティンソンさんのPCにiPhone試作機をつなげたことがあったため、マーティンソンさんは自分も責任を追及されるのではないかと心配になったという。
ホーガンさんは100ドル紙幣で5000ドルが入ったカメラケースをマーティンソンさんに見せたという。また、ホーガンさんは、ギズモードのほか「PC World」誌やエレクトロニクス製品情報ブログ「Engadget(エンガジェット)」などにも接触したと警察に説明していたことも分かった。
マーティンソンさんは、ホーガンさんがiPhone試作機を売却したら、試作機をビアガーデンで紛失したアップル開発者のグレイ・パウエル(Gray Powell)さんのキャリアが台無しになると思い、友人らと売却を思いとどまるようホーガンさんを説得したという。しかし、ホーガンさんは「くそくらえだ。電話を紛失したのはそいつだろ。紛失するべきじゃなかったね」と語ったという。
■アップルと警察の会議録も明らかに
公開された資料で、アップルの重役と警察との間で4月20日に行われた会議の模様も明らかになった。この会議には、アップルの社外弁護士ジョージ・ライリー(George Riley)氏も出席した。
捜査を率いるマシュー・ブロード(Matthew Broad)刑事の文書によると、アップル側から「既存のアップル製品を購入したかもしれない人たちが、新製品の発売を待つようになり、アップルの売上に打撃を与え収益に悪影響を及ぼした」と聞かされたという。また、ライリー弁護士は「損失の推計を出すことはできないが『ばく大な』金額になるはずだ」と主張したという。
ブロード刑事の文書には試作機を紛失したパウエルさんと電話で話した際の記録も含まれている。パウエルさんは3月25日の夜、ビアガーデンでおじと閉店まで約2時間を過ごしたと説明。パウエルさんは、試作機がかばんから床に落ちた恐れがあるとした上で、可能性は小さいが盗まれたのかもしれないと語ったという。(c)AFP/Chris Lefkow
米カリフォルニア(California)州の裁判所が公開したジョブズ氏とブライアン・ラム(Brian Lam)編集長とのやりとりによると、試作機の返却を要求したジョブズ氏に対し、ラム編集長はアップル側がこの試作機が本物であると認めることを返却の条件として提示したという。
ラム編集長は「なるべく早くこの電話をお返ししたい。だがその前にこの試作機のことを記事にしたい。紛失からアップルに返却されるまでの経緯を、アップルによる証明もつけて記事にする」と返答した。
これを受けてアップルから試作機の所有権を確認する書面が届けられた。その後ラム氏はアップルはギズモードの編集者ジェーソン・チェン(Jason Chen)氏から端末を取り戻せるだろうと述べたという。チェン氏はビアガーデンでこの試作機を拾ったと主張するブライアン・ホーガン(Brian Hogan)さん(21)から試作機を5000ドル(約46万円)で買い取った人物。その後、警察はチェン氏の自宅を家宅捜索した。
■ルームメイトが説得
公開された資料で、ホーガンさんのルームメイト、キャサリン・マーティンソン(Katherine Martinson)さんが関係者に情報を提供していたことが明らかになった。ホーガンさんがマーティンソンさんのPCにiPhone試作機をつなげたことがあったため、マーティンソンさんは自分も責任を追及されるのではないかと心配になったという。
ホーガンさんは100ドル紙幣で5000ドルが入ったカメラケースをマーティンソンさんに見せたという。また、ホーガンさんは、ギズモードのほか「PC World」誌やエレクトロニクス製品情報ブログ「Engadget(エンガジェット)」などにも接触したと警察に説明していたことも分かった。
マーティンソンさんは、ホーガンさんがiPhone試作機を売却したら、試作機をビアガーデンで紛失したアップル開発者のグレイ・パウエル(Gray Powell)さんのキャリアが台無しになると思い、友人らと売却を思いとどまるようホーガンさんを説得したという。しかし、ホーガンさんは「くそくらえだ。電話を紛失したのはそいつだろ。紛失するべきじゃなかったね」と語ったという。
■アップルと警察の会議録も明らかに
公開された資料で、アップルの重役と警察との間で4月20日に行われた会議の模様も明らかになった。この会議には、アップルの社外弁護士ジョージ・ライリー(George Riley)氏も出席した。
捜査を率いるマシュー・ブロード(Matthew Broad)刑事の文書によると、アップル側から「既存のアップル製品を購入したかもしれない人たちが、新製品の発売を待つようになり、アップルの売上に打撃を与え収益に悪影響を及ぼした」と聞かされたという。また、ライリー弁護士は「損失の推計を出すことはできないが『ばく大な』金額になるはずだ」と主張したという。
ブロード刑事の文書には試作機を紛失したパウエルさんと電話で話した際の記録も含まれている。パウエルさんは3月25日の夜、ビアガーデンでおじと閉店まで約2時間を過ごしたと説明。パウエルさんは、試作機がかばんから床に落ちた恐れがあるとした上で、可能性は小さいが盗まれたのかもしれないと語ったという。(c)AFP/Chris Lefkow