【5月7日 AFP】学術、エンターテイメント、デザインなど多種多様な分野の著名人のスピーチ動画をインターネット上で無料公開するプロジェクト「TEDトーク(TED talks)」が、世界のテレビ放送網に配信先を拡大しつつある。

■各界著名人の講演通して「考える」場

TED(テド、Technology, Entertainment, Design)」は毎年、各界の著名人物が講演する「TED会議(TED Conference)」を開催している。各分野で秀でた人びとが集い、いつもと異なる視点を通して人生について考える場にしていこうという趣旨で、30年前にカリフォルニア(California)州で始まった。

 これまでに数多くの名だたる学者や政治指導者、芸術家、起業家、音楽家などが講演を行ってきた。テドの「キュレーター」、クリス・アンダーソン(Chris Anderson)氏によって、講演時間は18分とされている。

 TEDは2006年から講演を録画し、インターネット上での無料公開を開始した。前年にはボランティア翻訳者を募り、講演をさまざまな言語に翻訳するプロジェクトを開始。さらに、TED以外のグループが「TEDxイベント」と称するTED会議風の講演会を開催することを認めた。

■テレビ進出でアイデア共有を

 米サンフランシスコ(San Francisco)で開催中の「ウェブ2.0エキスポ(Web 2.0 Expo)」で発表された「TEDオープンTV・プロジェクト(TED Open TV Project)」は、これまでの私的な講演会から、「広める価値のあるアイデア」を共有して行く公的なプラットフォームの形成を目指すものだ。

 TEDトークの講演動画を無料提供する代わり、テレビ局に講演に関連した番組を制作してもらうシステム。TEDは、テレビ放映されることによって、途上国などインターネット接続が不十分な地域の人びとも講演を聞くことができるようになると期待している。すでに世界中の数十局がこのプロジェクト参加に合意しているという。(c)AFP/Glenn Chapman

【参考】TEDトークのホームページ(日本語)