【3月19日 AFP】動画共有サイト・ユーチューブ(YouTube)が著作権を侵害しているとして米メディア大手バイアコム(Viacom)がネット検索大手グーグル(Google)を訴えている裁判で、18日公開された裁判記録から、ユーチューブ側がサービス開始直後、利用促進のため著作権侵害にあたる動画を掲載していたとみられることが明らかになった。

 ニューヨーク(New York)連邦地裁が開示した裁判記録によると、2005年7月、ユーチューブ創始者のスティーブ・チェン(Steve Chen)氏から共同創始者のジョード・カリム(Jawed Karim)氏に送信された社内メールに、「ジョード、頼むから盗んだ動画をサイトに載せるのはやめてくれ」と書かれていた。

 バイアコムはこのメールについて、ユーチューブの創始者らが著作権侵害だと認識しつつバイアコムの動画を掲載していた証拠だとしている。

 一方グーグルは、バイアコムについて、自社宣伝のためにユーチューブを利用し、自ら動画を投稿していたと批判。ユーチューブの主席法律顧問、ザハバ・レビン(Zahavah Levine)氏は、バイアコムのやり方が「非常に巧妙だったため、同社社員でさえ、投稿された動画すべてを把握できていなかった」と陳述している。

 また、問題の社内メールについては、「ユーチューブが悪意のある会社だと印象付けるため、たくさんのメールの中から抜き出されたもの」にすぎないと反論している。

 バイアコムは2008年、同社が著作権を有するテレビ番組を録画した動画がユーチューブに投稿されたとして、利用者の共犯としてグーグルに対し数十億ドル規模の著作権侵害訴訟を起こした。レビン氏によると同社は繰り返しユーチューブの買収を試みていたという。(c)AFP