【3月8日 AFP】電子書籍端末として米アマゾン(Amazon)の「キンドル(Kindle)」を脅かすと目されている、米アップル(Apple)の新型タブレットPC「iPad(アイパッド)」――このタッチスクリーン式のタブレットに、ビデオゲーム業界が熱い視線を送っている。

「携帯ゲーム機として強力な存在になる」と断言するのは、携帯電話端末「iPhone(アイフォーン)」専用ゲームなどを開発するデンマークのゲームメーカー、タクタイル・エンターテインメント(Tactile Entertainment)の創設者、アスビョルン・ソンダーガード(Asbjoern Soendergaard)CEOだ。iPadは今までにはなかった「驚異的なゲーム体験」をもたらすだろうと、大きな期待をかける。

 同社ではiPhone用のペット・シミュレーション・ゲーム、「ポケット・クリーチャー」を企画開発しているが、携帯電話端末よりも大きなスクリーンと豊かなグラフィック表示、高い情報処理能力をもったiPadならば、「1年前には企画だけで実現できなかった特徴」をいろいろと、ゲームやアプリケーションに加えることができるという。

 ビデオゲームやソフトの開発メーカーは、フリーソフトや有料ソフトの提供が端末自体の大ヒットにつながったiPhoneの例にならいたいと、世界各地で4月に予定されるiPad発売を前に、iPadならではの新たな特徴を生かしきれるアプリケーションを目指して最後の仕上げに取り掛かっている。

 iPhone用に「スラッグ・ウォー」などのゲームを開発している米ノースカロライナ(North Carolina)州のゲームメーカー、「リパブリック・オブ・ファン(Republic of Fun、娯楽の共和国の意)」で「大統領」を名乗るマイク・ラスムセン(Mike Rasmussen)氏も、iPadはゲーム開発にあらゆる可能性をもたらすと有望視する。「例えばiPadは4人用の卓上ゲームにぴったりのサイズ。すでにわが社では、携帯電話端末などでは難しい究極のボードゲーム機として、複数のプレーヤーで真にインタラクティブに楽しめるゲームを考案中だ」と語った。(c)AFP/Chris Lefkow