【1月30日 AFP】米国のホロコースト生存者団体「American Gathering of Holocaust Survivors and their Descendants」は29日、米アップル(Apple)が同社のコンテンツ配信サービスiTunes Storeでイタリアの独裁政治家ベニト・ムソリーニ(Benito Mussolini)の演説を集めた多機能携帯電話iPhone(アイフォーン)向けアプリケーションの販売を認めたことは、ナチスやファシズムの犠牲者に対する侮辱だとして強く非難した。

 同団体は、アップルが審査した上でこのアプリの販売を認めた以上、同社に責任があると述べた。

 このアプリ「iMussolini」はムソリーニの演説の音声、テキスト、動画を集めたもの。開発したルイジ・マリノ(Luigi Marino)氏(25)によると、前週の発売から1日あたり約1000回ダウンロードされている。

マリノ氏は歴史用ツールとして開発したとしているが、ムソリーニの崇拝者を魅了しているようだ。今後、アップルの新型タブレットPC「iPad(アイパッド)」向けにも開発を進めるつもりだという。

 アップルは、マリノ氏に対してアプリの販売は停止しないが、攻撃的なコメントは削除すると述べたという。AFPはこの件についてアップルにコメントを求めたが、回答は得られなかった(c)AFP