【1月30日 AFP】発表前から注目を集めていた米アップル(Apple)の新型タブレットPC「iPad(アイパッド)」がついに公開されたが、早くもアイパッドへの高い関心につけこんだハッキングや詐欺が横行している。

 コンピューター・セキュリティ企業トレンドマイクロ(Trend Micro)の専門家は「iPadはまだ発売もされていないが、サイバー犯罪者はもうその人気を悪用して利益を得ている」と指摘する。

 3月に世界各地で発売されるiPadをめぐっては、製品発表前からあらゆる憶測が飛び交っていた。27日の発表後も関心が薄れるどころか、iPadの長所や短所に関する熱い議論がインターネットのあちこちで交わされている。

「残念なことに、これが検索ワードを使ったわなを仕掛ける詐欺師にとって格好の機会になっている」とセキュリティー対策ソフト大手シマンテック(Symantec)の専門家は指摘する。

 トレンドマイクロによると、ハッカーや詐欺師は検索ワードとして頻繁に使われる単語を使って、検索結果の上位に表示されるようなウェブサイトを作る。このようなサイトを閲覧したユーザーのパソコンに「スケアウェア」と呼ばれる悪意のあるソフトを導入するという手口だ。

 このソフトは、実際にはウイルスに感染していないのにウイルスが見つかったとユーザーをだまし、駆除ソフトの代金などとして金をだまし取るという。

 この種のサイトはiPadの発表当日からあり、非常に増えているという。専門家は、今後数週間はiPadに関連したスパムやフィッシングといったネット上の犯罪が増えるおそれがあるとして警戒を呼びかけている。(c)AFP