【11月20日 AFP】グーグル(Google)は19日、同社傘下の動画共有サイト「ユーチューブ(YouTube)」の動画に、自動的に字幕をつける機能を追加すると発表した。聴覚障害者への配慮だという。

 当面、自動的に字幕がつくのは英語の動画に限られるが、グーグルがサポートする機械翻訳を使って51の言語に翻訳できるとしている。将来的には、投稿されたすべての動画に自動で字幕がつくようにする計画だ。

 ユーチューブでは2008年から、ユーザーが手作業で字幕をつけられるようになっているが、あまり利用されず、今も大半の動画は字幕のない状態だ。

 同社のチーフ・インターネット・エバンジェリスト(Chief Internet Evangelist)で、自身も13歳で聴覚を失ったという「インターネットの父」ことヴィント・サーフ(Vint Cerf)バイスプレジデント(66)は、米ワシントンD.C.(Washington D.C.)で開いたイベントで「グーグルは、すべての人が世界の情報にアクセス可能であるべきだと信じている。動画メディアをあらゆる人に利用可能にできるかどうかが、大きな課題だった」と語った。

■技術にはまだ改善の余地も

 字幕の作成には、自動音声認識技術が使われているが、デモンストレーションでは「Sim Card(SIMカード)」が「Salmon(鮭)」と出力される場面もあった。字幕プロジェクトを率いた聴覚に障害があるソフトウェア技術者、ケン・ハレンスティーン(Ken Harrenstien)氏は、技術にまだ改善の余地があることを認めた上で、雑音や発音に強いくせがあると正確な字幕をつけることは難しいが、時間とともに改善されると語った。

 グーグルはほかにも、ユーザーが作成した字幕をユーチューブにアップロードする手間を軽減する新機能も発表した。両機能とも、英語でのサービスは今週中に始まる予定。(c)AFP/Chris Lefkow