【10月21日 AFP】米ソフトウエア大手マイクロソフト(Microsoft)は20日、独携帯電話大手T-モバイル(T-Mobile)のスマートフォン「サイドキック(Sidekick)」のユーザーデータがサーバー障害により消失していた問題に関し、アドレス帳データを復旧しユーザーへの引き渡しを開始したと発表した。画像やメール内容などのデータについては現在、復旧方法を検討している段階だという。

 サイドキックのデータは10月に、マイクロソフトの子会社であるデータサービスプロバイダー「デンジャー(Danger)」のサーバー障害により消失していた。

 T-モバイルとマイクロソフトは被害を受けたユーザー数について明らかにしていないが、米国には約100万人のユーザーがいると推定されている。マイクロソフトは、データ復旧作業は「データが消失した顧客のうちの少数の人々に必要なものだ」と強調している。

 マイクロソフトによると、データが消失してしまったサイドキックのユーザーは、T-モバイルのウェブサイトにある復旧ツールを使えば、10月1日現在のアドレス帳データを復旧できるという。T-モバイルとデンジャーは以前、消失データの復旧の可能性は「極めて低い」としていた。T-モバイルは現在、サイドキックの販売を中止している。

 ここ最近で最も重大な事故だとされる今回のデータ消失について、IT専門家からはオンライン上のサーバーに保存したデータを利用するクラウド・コンピューティングでも、同様のことが発生する可能性があるとの指摘も出ている。(c)AFP