【9月23日 AFP】インターネットに明るいインドの副大臣が、米マイクロブログサービス「ツイッター(Twitter)」で同僚の政治家らを「聖なるウシ」にたとえたジョークを飛ばしたことを巡って非難が巻き起こり、インド最大与党・国民会議派(National Congress)のソニア・ガンジー(Sonia Gandhi)総裁までをも巻き込む事態となっている。

 ツイッターに「聖なるウシ」発言を投稿した元国連(UN)広報局長(事務次長)で外務副大臣のシャシ・タルール(Shashi Tharoor)氏は、この騒動についてガンジー総裁と会合を開き、説明を求められた。

 きっかけは、外遊の際にツイッターをよく利用するタルール氏が、政府の経費節減方針にならい、閣僚らがエコノミークラスの航空便を利用していることを報告したことだった。

 ツイッター上で、南部ケララ(Kerala)州訪問の際にはエコノミークラスを利用するのかと質問されたタルール氏は、「もちろん畜牛クラス(エコノミークラスの意味)さ。ほかの聖なるウシたち全員と一緒にね!」と返答した。

 タルール副大臣の失職を指摘する報道も出ているが、インドのIBN-CNNテレビによると、ガンジー総裁はタルール氏に言動に気をつけるよう注意しただけだったという。

 タルール氏は、ガンジー総裁との会合後、記者団にコメントをせずに会場を後にした。とはいえ、今回の騒動は、ツイッターなどのソーシャルメディアが少しずつ広がりをみせ始めているインドにとって良い教訓となったとみえる。

 17日には、タルール氏は「人びとがユーモアを評価してくれると考えるのが間違いだということ、そして、自分の発言を喜んでねじ曲げるような人びとにそういう発言や機会を与えてはならないということに気づいたよ」とツイッターに投稿した。(c)AFP