【8月13日 AFP】中国政府がすべてのコンピューターへのフィルタリングソフト搭載の義務づけを発表し、大規模な反対運動が巻き起こっていた問題で、李毅中(リ・キチュウ、Li Yizhong)工業情報相は13日、このフィルタリングソフト「グリーン・ダム・ユース・エスコート(Green Dam Youth Escort)」のインストールは任意であると述べた。

 李工業情報相は、北京(Beijing)で記者団に対し、「ソフトウエアをインストール後、使用するかしないかをユーザーが選択できる」と述べた。また、「コンピューターを購入する際に、(ソフトウエアの入った)フロッピーディスクかCDが手渡される。インストールするかどうかの選択権は、親や社会にある」と説明した。

 6月に、すべてのコンピューターにフィルタリングソフトの搭載を中国政府が義務化するとの報道が広がり、中国政府がインターネットの管理を強化しようとしているとの批判など、国内外から強い反発が出ていた。

 これを受けて、中国政府は、フィルタリングソフトは若者をポルノや暴力から保護するために設計されたもので、子どものインターネット閲覧に対する制限を親に与えるものだと繰り返し主張していた。

 しかし結局、中国政府は実施日の7月1日の前日になって突然、義務化の延期を発表した。

 李工業情報相は、コンピューターメーカーに対し、ソフトウエアをあらかじめインストールするよう義務づけることはしないと述べた。この計画について説明不足だったことも認め、一般の意見を募集すると語った。一方、学校やインターネットカフェなどの公共施設については、同ソフトの導入を中止しないとした。(c)AFP